RClub Annex Main Blog

最近のトラックバック

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

Co-Rich

  • CoRichブログランキング

twitter TIME LINE

« 時間堂「星の結び目」ワークインプログレス観覧 | トップページ | 第17回 王子落語会 4者4様の色を楽しむ »

2012年1月25日 (水)

「ヌードマウス」公開稽古、場に立会いさらに飢える

赤坂レッドシアターで上演される「ヌードマウス」の公開稽古の参加者募集があり、
その第2弾を1月18日首都圏某所にて拝見させていただきました。

仕事が終わってすぐにオフィスを飛び出す。
開始の時間には少し遅れてしまいましたが、
2時間強の間、
創作の現場の雰囲気に浸されつつ、
いくつかのシーンが組みあがり変化していく姿を
目と耳と肌で
実感することができました。

(ネタばれ等はなきように留意していますが、ここから先、公演HP等によってすでに公にされている公演情報などは含まれておりますので、予備知識なしに公演をご覧になりたい方はご留意くださいませ)

小学校の教室ほどの稽古場の隅に並べられたいすに座らせていただき、
シーンが作り上げられていく現場を拝見。

倉庫から部品でももってくるように
シーンの番号が演出からオーダーされると
役者達によってその空間が紡ぎだされ
場の空気が染められていきます。
それが、作品にどう組み込まれていくのかなど
まったくわからない・・・。
でも
ひとつのシーンが演出家の言葉で
色や形を変えていく姿が
とても立体的に感じられる。

さらに、場に慣れてくると、
演出の言葉や動作からやってくる意図と
役者達からあふれ出してくるものの
それぞれのせめぎあいが
圧倒的に観る側を虜にしていきます。
演出の指示や説明と
役者達の演技の重なりの中で
少しずつそのシーンに描かれるべきものが
研がれふくらみ伝わってくる。

部屋に入る前には当然に抱いていた
どんな物語なのだろうという興味も
消えてしまったわけではないのですが、
それより、眼前のシーンの変化に
圧倒的に心を奪われる。

なんども、何度も、リピートされるシーン、
演出の言葉が幾通りにも表現を組み換え、
刹那の絵面が変わっていきます
そこにはシンプルに収束するのではなく
常に求められ選ばれ、
さらに新しく揺らいでいく
見ているだけで前のめりになるような
輝きを持った不安定さがあって、
だからこそ、時間にも空間にも、
鼓動のようなものを感じる。
常に場が高揚しているわけではなく、
時には閉塞感が降りてきたり
あがくような局面もある。
でも、それが、バネのようになって
さらなる発想が生まれ選ばれ膨らむ・・・。

いくつかのシーンを眺めるなかで、
そこに形作られた人物や場の豊かなニュアンスに
時間の感覚をなくして引き込まれてしまいました。
座った場所から正面に見える時計が目に入ると
その針の進み方に何度も驚く。
見ているだけなのに、
部屋全体としての空気も
ガチガチヒリヒリというわけではなく、
むしろどこか淡々とリラックスしているのに、
実にたくさんのものが無意識の領域にまで沁み入ってくる。

拝見したのは「かえし稽古」だったので
稽古時間が終わり、
制作の方に導かれてその場を退出する時点でも
ストーリーは数%も見えませんでしたが、
にも関わらず、
この作品は間違いなく面白いという
確信のようなものが生まれていて。
フライヤーで演出家やキャストのクレジットを見ただけでも
がっつり魅力的な作品ではあるのですが、
今回、稽古を見せていただいて
常ならぬほどに、飢えるように、
本番を拝見するのが待ち遠しくなりました。

あと、何を今更なのですが、
これまでに観た作り手たちの作品たちが
実はそれらを易々と作りだしたわけではなく
足掻き、迷い、往き戻り
何かを削るように組み上げられたものであることにも
思い当たって。
真摯に作り上げた演劇という表現が
いかに贅沢なものであるかを
思い知る。

お伺いできて本当によかった・・・。
制作上の負荷を省みず
観客にこのような機会を与えていただいた作り手側の皆様に、
心よりお礼を申し上げたいと思います。

*** *** ***

公演の概要は以下の通り
(下記情報の掲載に問題があるようでしたらご指摘ください。速やかに対応させていただきます。)

「ヌードマウス」

作・演出 : 谷賢一
出演   : 増田俊樹、佐藤みゆき, 大原研二,山本亨

公演期間: 2012年1月24日プレビュー公演
             1月25日~29日本公演

会場   : 赤坂レッドシアター

ヌードマウスのHP:http://www.nudemouse.jp/

« 時間堂「星の結び目」ワークインプログレス観覧 | トップページ | 第17回 王子落語会 4者4様の色を楽しむ »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ヌードマウス」公開稽古、場に立会いさらに飢える:

« 時間堂「星の結び目」ワークインプログレス観覧 | トップページ | 第17回 王子落語会 4者4様の色を楽しむ »