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2011年6月22日 (水)

カトリ企画UR「チェーホフのスペック」

June 18th 2011 感想のメモ

(ネタばれがあります。ご留意ください)

劇場にはいると、
そこにはカクテルや日本酒などを販売するコーナーがあって。
これが、リーズナブルなお値段で
しっかりと美味しい。

役者たちも舞台上にいて、とてもアットホームな客入れ風景。
そんな時間も
照明がかわると
空気ごとすっと演劇の時間に塗り替わっていく。
その雰囲気の変化の鮮やかなこと・・・。

・煙草の害について

戯曲は何度か観たことがあって知っていました。
でも、とても新鮮に思えた。

多分に戯画的だとはおもうのです。
だけど、デザインされた表現たちには、
うすっぺらさと豊かさをランダムに織り上げたような質感があって、
舞台がすこしも平板に感じられない。、
役者たちの表現にも絶妙なアンバランスがあって。
それぞれが発するものが
異なる方向や長さのベクトルをもっていて、
その整わない部分からたくさんの印象がこぼれ出してくる。
綺麗に纏まっているわけではなのに
ばらけずに、常ならぬ感覚が醸し出されていきます。
役者の表現の舞台上での残存時間がちがっていて
シーンの空気に起伏を生まれ
結果として、主人公の感情が豊かに組み上っていくのもおもしろい。

エンタティメント性を持っていて、どこか雑多で、
でも、観ていてごちゃごちゃしているわけではなく
むしろ安定感と洗練されたウィットに浸されて。
織り上がったものが
多面性をもった楽しさに満ちていて、
それがまた、開演前のお酒にも助けられ
観る側を惹きこんでくれる。

それらが何処から来るかというと、役者であり、作品の魅力であり、
演出の妙でもあるとは思うのですが、
よかったとか面白かったとかいう言葉では
うまく収まりきれないような
もう一歩踏み込んだ魅力がこの作品にはありました。

・たわむれ

開演、生の音楽、
力を持った緩やかさとともに入場してくる役者たちの動きには
しなやかに纏っている時間があって。

ソリ滑りの刹那の表現、
音にしっかり押されて
その一方で奈落に落ちる刹那の醒めた描写が
しなやかにつくられて・・・。

繰り返されるそりの奈落に下るような感触が
そのたびに観る側を舞台に引き入れてくれます。

一方で、時間の高揚が舞台の全てを支配するのではなく
上手隅の役者の献身的な演技が
音楽とあいまって
舞台上の時間を
何かが削ぎ落ちたような記憶のテイストへと
落とし込んでいく。

仕組まれたささやき、たわむれ、いたずら心。

舞台には観る側を巻き込むような勢いがありながら
でも、いつしか時間軸は、その片端をのばし
観る側は、視座を、人生を俯瞰するような位置に
定めてられていきます。

気が付けば
刹那のときめきが、感覚の抜け殻の重なりへと置き換わり
黄昏にながめる風景のように変化して。
交歓の刹那を作る瞬発力を
上手の長いつばの帽子をかぶった役者の
静的な表現がしなやかにうけとめ、
なおも時間を背負いきる持久力に
それらが記憶の中に風化していく姿が
しっかりと舞台に刻まれる。

この表現力、ちょっとすごい。

前半のそり遊びの浮揚感がそのまま残っているのに、
終演時に役者達が退場していく様からは
寂寞とした感覚が降りてきて。
その切なさに囚われて
役者達が去っていくすがたをずっと見つめてしまいました。

こちらの作品にも、あまり経験のしたことのない後味があって
興味深かったです。

*** *** ***

この2本立て、
両作品とも気負いなく観てしまうのですが、
終わってみると残る感触が驚くほどに豊か。

単一でない、
いろんな感覚に、豊かに満たされた感じで
雨の土曜日でしたが
午後の時間をとても楽しむことができました。

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