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2011年6月15日 (水)

大人ディスコあけみ

June 8th,2011 「大人ディスコあけみ」感想のメモ

会場は文化村傍の渋谷 saravahtokyo。
ライブハウスとしての営業が多いスペースのようです。

18:30開場の19:30開演。
早めの時間にはやや閑散としていた会場も
開演時間にはしっかりと人が満ちて。
あちこちに姿を潜めていたダンサーたちも
舞台に集散してオープニングが始まります。

1st 動悸

*オープニング ダンス全員 歌 レ・ロマネスク SAX:多田葉子 ギター:臼井康治。

生サックスとギターをバックにステージにダンサー達が集まる。
出演者たちが空気を作る。
濃いなぁと思いつつ、期待に胸が高まる。
どことなく漂うラフさがとてもよいスパイスになっていて・・・。

こういうテイストって、劇場のダンス公演などでは
なかなか味わえないわけで、
心ときめきます。

 
*MCボボ
劇場付のカツオさん。
ちょっと月亭可朝師匠の若いころを思い出してしまいました。
ウィットと軽さを武器にして、
冒頭の諸説明などもさくさくと。

*康本雅子

ペットボトルを潰してノイズを作りながら
フロア後方から登場。
場を一瞬にして踊り手の世界に染め上げます。

歌に体躯の動きが絡む。
言葉を纏い観る側を舞台に引き込む。
やがて、満ちて、
ダンスが音や言葉を凌駕する刹那がやってくる。
底から先は、言葉が動きをつくるのではなく、
動きが言葉の縛めを外して見る側を巻き込むような感じ。
彼女の世界が圧倒的に膨らんでいく。

ライブハウスのフロア自体には
劇場のような研ぎ澄まれた静謐さはないのですが、
そのかすかなざわめきのようなものが
不思議な臨場感を醸し出して、
むしろやってくるものの肌触りに
静寂な場所とは違った生々しさがあって。
さらに深みに導かれる。

気が付けば彼女の世界に完全に閉じ込められておりました。

ダンスが終わって、チップタイム。
入場の時に配られ買い足すこともできる
「マユーロ」というおもちゃの通貨があって
それをダンサーにチップとして渡すという趣向なのですが、
その場に、またショー的な作り物感があってすごくよいのです。

で、康本さん、ダンスが醸した凛とした高貴さから
「チップください」とざるを持ちだす下世話さへの落差が物凄く、
観る側を常ならぬ世界から、
その場の空気に戻す豹変がとてもおかしくて。

ふっと緩んだ場の空気と
客席スペースを回るときの、
舞台上では決して見せることのない演じ手の微笑みが
(初めて観ました)イベント本来の色をしなやかにかもし出してくれる。
この人やっぱり凄い。

彼女の持ち時間、もろもろ込みで
最後の最後まで見応えがありました。

*長井江里奈&たかぎまゆ

2人のダンス、
POPで突き抜けて明るく楽しい。

気取らない洗練があって、
でも、それなりに人生の楽しみを知っている
女性の豊かさも醸し出されていて。

観る側にもたれない軽さがありながら
「・・・風」というまがいものの薄さがなく
そこには、彼女たちの世界がしなやかに
現出していて。
円熟が、
切れの尖りを突き刺す感じではなくなめらかな質感に変えていく。

互いの動きに信頼感のようなものがあって、
それがダンスの豊かな遊び心となり
グルーブ感へと昇華していく。

魅入られて、わくわくして、
終わった後には
すっと時間を忘れてしまうような
彼女たちの良い意味でキャリアを感じるダンスの秀逸が
がっつりと質感として残っておりました。

*江戸川卍丸&花小路男D

べたなネタなのですが
観る側を引かせないなにかがあって・・・。
一つは、ネタに不似合いなほどに
歌が上手い。
舞台上の2人の動きも
なにげに綺麗で
ほとんど弾かないギターが
ちゃんとその絵面に一役買っている。

なんだろ、すごくきっちりと
その「駄目っぽさ」が作りこまれている感じ。

気が付けば、そのべたさと裏腹の
切れをもった舞台の絵面にしたたかに取り込まれておりました。

(DJタイム)

2nd 息切れ

*MC ボボ
マユーロが売れていないとぼやきつつ
ショータイムの雰囲気を醸し出していきます。

*たかぎまゆ

音楽にのって、一気に場内に熱を与えていきます。
刹那の動きにダンスの円熟を感じる。
良いダンスって
遊びがあって無駄がない。
刹那の身のこなしに女性をしっかりと感じ
その艶かしさにぞくっとくる。

実は多分機材トラブルで
音楽が止まってしまうというアクシデントが
あって。
一瞬観る側も事情が飲み込めず、
どうなったかと思ったのですが
彼女の機転は場に醒める暇を与えず、
観客に手拍子を求めます。
さらには粋な切れをもったカウントをコールして
そのリズムに自らをのせつつ
しなやかにナンバーを最後まで踊り終えてしまう。

素人にとって、ダンサーの唇から漏れる
One, two, three, four,⇔
というカウントは震えが来るほどシャープなエッジを持っていて、
もうそれだけでもがっつり惹きこまれる。
しかも、踊り終えると
客席に居合わせたダンサーの観客たちに
「勉強になったでしょ。」と言い放ち
悠然と去っていく。

それはもう、痺れました。
プロの粋っていうのはこういう気風から生まれるのだと
ひたすら感心したことでした。

*コクモッツ(田畑真希 & 大江麻美子)

東欧風とでもいうのでしょうか
どこかメルヘンチックな雰囲気から立ち上がり
豊かな動きが織りあがっていきます。

作り込まれたユニゾンに高揚が生まれていく。
早くてやわらかい動きに
目を瞠るような切れが内包されていて。
ふたりにはそれぞれの個性があって
でも、舞台には彼女たちが編み上げた統一感があって。

ユニークという言葉では旨く説明できなような
踏み出しとなつかしさをもった個性。
動きの一つずつにぶれのない企みと強さがあって
観ていて思わず前のめりになる。
表層的な派手さはないのですが
でも観る側に彼女たちを印象づける色には
こぼれる部分がなく、
端々までのテンションがそのまま鮮やかに伝わってくる。

実のところ
冒頭の雰囲気と
観終わった後の印象が全く違っていて。
理性やイメージで観るものとは違う
感性に残っていくものが
2人のパフォーマンスには仕込まれているように感じました。

その秀逸さに惹かれ
もっと彼女たちの様々な表現を見たくなりました。

*斉藤栄治

ソロダンス。「リトルショップ オブ ホラー」を思い出させるような花の
皮膚がほどけていく姿が前半の見せ場。

巻きついていた布が剥がれると
そこからはソロダンスとしての力がぐぐっと前に現れてきます 。
ストイックな感じがあるのにどこかユーモラス。
しかも奥行きを感じる動きを支える
バランス感覚の秀逸がそのまま観る側に残る。

コンテンポラリーダンスの要素が強い作品でしたが
どこか、場の雰囲気を取り込むような部分もあって
楽しむことができました。

・長井江里奈

出演ダンサーを舞台によび
観客をみんなフロアに立たせ、
ダンスレッスンの態でシークエンスを伝授していきます。
観客にもダンサーの方が結構いらっしゃったみたいで
あちらこちらで結構切れをもった動きがあって。

個人的には、踊るなど一番不得意なジャンルだし
動きを覚えるなど出来るわけが出来るわけが無いと思っていたのですが、
この人の振付や説明だと、
何かすっと入ってきてしまって、
周りの人の動きについていけるような気になってしまう。
(実際にどんな動きになっていたかは、自分で分かりようがなかったし、
この際問わないことにして)。
よしんば翌日腕がちょいと痛くなったとしても
これは楽しい。
ダンスがしっかりと満ちた時点でホイッスルが吹かれ
十戒タイム。
フロアがモーゼがとおるごとく左右に分かれ、
そこに舞台上のダンサーたちがなだれ込んできます。
いままでの緩いシークエンスを一気に切り裂くそのダンスに
目を瞠る。
終わってもその余韻や熱が場内に暫く残っておりました。

*水内さん

DVDの製作会社の社長さんが居残りの長井江里奈とともに
プロモーションソングのパフォーマンス。

なにかレトロで懐かしい感じがあって、
こういうの、観れそうでみれないというか・・・。

演じ手の意図とは違うのかもしれませんが
不思議に心が和む時間でありました。

(DJタイム)

3rd 目眩

*MCボボ

マユーロが売れていないことを含めたご報告、諸注意、
ちょっとしたネタなど。

*レ・ロマネスク

その容姿は確実に印象に残る。
でも出落ちというわけではなく、
雰囲気を保ちつづけるコアが
しっかりとパフォーマンスに埋め込まれていたように思います。

歌にもちょっと昔の軽演劇を思わせるような風情があり、
デフォルメされたというか時代倒錯的な表現に
あやふやではない色や奥行きが感じられて。

DJタイムで緩んだ密度を舞台に取り戻す力がありました。

*たかぎまゆ
「小さな奇跡」songby Malia Barouhにのせたダンス。

最初に感じたのは女性としての表現の豊かさ。
ゴールドのグローブから放たれる光の眩さは
踊りに取り込まれた刹那から
彼女の妖艶さの縁取りに変わっていきます。

緩やかで丸みを持った仕草と
息を呑むような刹那ごとの切れ、
音楽を織り込むに留まらず包み込むような身体の動きがあって、
その円熟に女性の歩んだ月日のドラマすら感じる。

ショーダンスの趣だし、
観ていても、ストイックさを感じさせることなく
ひたすら楽しいのですが、
そこには、
極めて良質なコンテンポラリーダンスを観たたときの
ふっと時間を俯瞰するような感触が残るのです。

恣意的に飾られた表現から垣間見える
女性としての研ぎ澄まされた想い。
それは、初めて彼女を急な坂スタジオ屋外の舞台で観たときにも、
強く心を奪われた表現の切っ先を
しっかりと思い出させてくれる。

豊かに膨らんでいくものと、変わらないもの。
彼女の表現の抜きん出た華やかさと表現者としてのストイックさ・・・、
それぞれの魅力をたっぷり感じることができました。

*多田葉子 臼井康治 長井江里奈

ダンスパフォーマンスに加えて
フリージャズのようなSaxの音色に
なぜか強く惹かれたり・・・。
元々一瞬にして空気を塗り替えてくれるような表現に
弱いのかもしれませんが・・・。

圧迫感やストイックさが解放してくれるもの、
うまくいえないのですが、
音にしても動きにしても
ちょっと掴まえきれずに
でも、しっかりと捉っているような感覚がありました。

フィナーレ的なチップタイムで終幕。

なにかもう、おなか一杯になりましたが、
でも疲れたという感覚はまったくなく、
むしろ心地よく脳内麻薬が抽出されたような
高揚がそこにはあって。

ああ、おもしろかったと素直に思える。
なにか、すごく楽しい心持ちで家路につくことができました。

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