ゾウノハナランチミーティング『葉桜と魔笛』港が見えるカフェで物語に浸りこむ
11時45分開場。少し前について、まわりをお散歩したりも。
演出 : 柴幸男(ままごと)
出演 :井上みなみ(青年団) 吉見茉莉奈(劇団PEOPLE PURPLE)
役者達の靴音が聞こえてきて、自然に舞台となる空間が異なる空気で満たされて・・・、開演。二人の女優たちが、場をリラックスした食事の場から海の近い家に住む姉妹の世界へと染め替えます。
リーディングといっても姉が手に持った本は概ね看板のようなもの、恣意的に本から引き出されるいくつかの言葉以外は、冒頭の強さに鼓動を与えられた空気の更なる緩急として場を満たし瑞々しさを失うことなく積もっていく。物語られ、健常な姉と病に蝕まれた妹が束ねを解かれ、その風貌や寄り添い方のかみ合わなさから、姉が未だ御し得ず妹が憧れに置かざるを得ないその年齢の女性達が内に秘する異性への逡巡や恋慕の感情が予想しなかったあからさまさで訪れ観客を浸す。
その上で、すっと視座が引かれた最後のシーン、舞台に置かれたものが一人の女性の記憶に置き換わり、舞台に凛と張られていたテンションも、柔らかな記憶をいつくしむものへとその肌触りを変え、彼女の記憶と今が一つに置かれた、彼女の人生への俯瞰や若かったころの時間との邂逅の風情に、どうにも心捉えられてしまうのです。
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