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日本劇作家協会ドラマリーディング『フローズンビーチ』戯曲の力を導き出すビビッドさ

少し遅くなりましたが、
2013年12月14日、座高円寺2にて、日本劇作家協会主宰のリーディング公演を観ました。

戯曲は岸田國士戯曲賞受賞作『フローズンビーチ』。
舞台での初演・再演も観ていますが、リーディングだからこそわかる戯曲の魅力もあって。

見応えたっぷりの舞台でありました。

(ここからネタばれもあります。ご留意くださいませ)

作 :ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
演出 :夏井孝裕
出演 : 牛水里美(黒色綺譚カナリア派)、内田淳子、鶴牧万里、西田夏奈子、藤谷みき

事前に出演者の方のブログなども読ませていただいて、
全員での稽古の時間などがほとんどなく、
要はぶっつけ本番であることは知っていたのですが、
だからこそ生まれる面白さがあることにまでは
思いが及びませんでした。

舞台初演のときに使用された画像なども使われたり、
場の間には音楽も同じものが使われたりして
懐かしくもありつつ、
役者達からやってくる台詞の、
クリアさと、色の醸し方と、間の秀逸と、
なによりも、読むというより、台詞が編み上げる空気のビビッドさに
ぐいぐいと惹かれていく。
冒頭こそ、ただ言葉の意味を受け取っている感じがありましたが、やがて、舞台に紡がれる台詞に生まれるビビッドな肌触りに取り込まれて、知っているはずのその筋立てや顛末を追いかけてしまう。

終わってみれば、私が初演などで感じたものとは色の異なった、 戯曲の骨組みがしっかりと残って。
今回の舞リーディング舞台の面白さにガッツリ満たされつつ、 初演の舞台では、戯曲そのものよりも戯曲自体の魅力を踏み台にし たっぷりと時間をかけて役者達が作りこんだ ロールや場の空気の熟し方にとりこまれていたことに思い当たる。さらには10年以上もまえに舞台を観たときには理解できなかった 戯曲自体に内包されていた秀逸さや大きな賞を取った理由も、 実感としてわかったような気がしました。

加えて、戯曲の仕掛けから引きだされた、他の舞台を観て知っていたはずの役者たちの、ぞくっとくるような底力に改めてぞくっときたりも・・・。、
まあ、常軌を逸するほどコストパフォーマンスの高い舞台(このキャストで2時間越えのリーディンブ舞台が・・・、1000円!)でもありまして にもかかわらず、場内には空席がけっこう目立っていて、もったいないことこの上ありませんでした。

*** ***

終演後の『劇作家DJ部、選曲を考えるひととき』、
企画の意図はわかったし、それを本番のキャストで試すのは豪華でもあり、面白くもあったのですが
なにか時間にあおられて、意図やそのための仕込みが うまく展開できなかった部分も見受けられたのが
少々残念に思えたことでした。

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