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劇団ガバメンツ「Nobody is Perfect」洒脱でベタで作りこまれたエンタティメント

2012年、8月4日、16時からの劇団ガバメンツ「Nobody is Perfect」を観ました。

会場は千歳船橋のAPOCシアター。

この劇団、15mmMadeや前回の東京公演がとても魅力的に感じられて。

そして、今回も、作りこまれ配合された舞台の様々なテイストたちに
魅了されてしまいました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください。)

作・演出 : 早川康介

出演: 青木直敬 近藤貴久 西岡裕子
     片山誠子(劇団PEOPLE PURPLE) 斉藤コータ(コメディユニット磯川家) ひら凌一

場内にはいると、
舞台上のテーブルの上におかれた
「T」の文字がまず目に入る
さらには、舞台奥の棚には、
たくさんのアルファベットのパネルが
飾られていて・・・。
舞台で起こることの
虚構の匂いに浸されながら開演を待ちます。

前半に織り上げられる映画部分の肌触りが
とてもしなやかな薄っぺらさで作り上げられていて、
物語の恣意的な薄さや荒さが、
観る側に物語のベースをくっきりとわかりやすく
置いていく。
そのことがきっちりとバネになって
後半に大きなふくらみが生み出されていく。

骨組みのリプライズの中に
前半を彩ったさまざまなトリガーが
鮮やかにトーンを変え、
同じニュアンスに別のテイストを立ち上げ映える。
その見せ方にも、完全な対称形を作るのではなく
前半の洒脱さと後半のベタな雰囲気の要所を際立たせるような
絶妙な枠組みや流れの作り方と重ね方があって。

役者たちにも、
舞台の密度を一瞬に立ち上げげコントロールする切れと足腰があって、
変化していく舞台のなかで
物語の要素をにじませることなく、
刹那の色を変えシーンに質感を作り
前半・後半それぞれの流れを織り上げていく。

まあ、落語でいうと「青菜」のような構造を持った作品で、
後半の下世話さが
前段の仕込みを受け取り
ある種のグルーブ感に変わっていった時点で
作り手や演じての勝ちなのでしょうけれど
この舞台の枠組みの作り方やさまざまな隠し味は、
その先に、ある種のペーソスまでを生み出す領域にまで
作品を導いていて。

映画からの借景や
棚に残っていく文字のような全体を貫くものから、
犬と猫の使い分けなどの裏表の作り方や、
さまざまに埋め込まれた小さな仕掛けにも
心惹かれて。

ちゃんと、その奥行きが観る側の記憶に残る
秀逸なエンターティメントを楽しむことができました。

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