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+1(たすいち)「FIRELIGHT」場を拡散させない作り手のフォーカスコントロール

2012年4月29日ソワレにて+1(たすいち)「FIRELIGHT」を観てきました。
会場は吉祥寺シアター。

12ヶ月連続公演は途中で挫折してしまったのですが、
作り手の作品に対する信頼度はしっかりと残っていて、
期待を持って劇場へ。

その、期待にたがうことのない
作品のクオリティに満たされました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

作・演出 : 目崎剛

出演 :朝日望(劇団海賊ハイジャック) 猪股和磨(ぬいぐるみハンター)一橋純平(霞座) 久我真希人(ヒンドゥー五千回)黒沢佳奈  後藤祐哉(声を出すと気持ちいいの会) 小林光(江古田のガールズ) 佐山花織(MoratoriumPants)鳥谷部譲 永渕沙弥(三木プロダクション) 細井ひさよ 丸塚香奈(劇団東京ペンギン) 安田友加

今川智博(てあとろ50’) 大河原泉(虹の素) さいとう篤史 斉藤元太 椎谷万里江(拘束ピエロ) 高橋慧 寺尾みなみ(劇団東京ペンギン) 花上翔一(チト) 原田わかな 早水麗子 吉原早紀


しっかりとパワーを持った舞台でした。

これまで彼らが公演してきた劇場
(12ヶ月連続公演はシアターミラクル)に比べて
吉祥寺シアターは遥かに広いはずなのですが、
手慣れた感じで空間が構築されていて。
ありがちな持てあましたり萎縮したりといった感じはみじんもなく
むしろ、今まで束縛されていたものがら解放された感じがして。

物語のアイデアの原点として
そのマッチ(の態のもの)が描かれ、
原点がきちっと定まることで
決して平凡でもなく、
単調な語り口でもなく、
むしろ様々な表現が織り込まれている舞台上であっても、
物語が拡散せずに
しっかりと観る側に収まっていく。

物語の構図が見えてくるに従って、
役者たちの表現の確かさから
さらに垣間見える奥行きが生まれて。
ロールを持った役者たちには
それぞれの役柄に色を醸しと物語に差し入れる
力量があって、
物語がぶれることなく
観る側をすっと引き寄せるようなエッジをもって展開していく。

そして、アンサンブルというロールを与えられた
役者たちの表現には、
刹那のシーンから物語の骨格にまでニュアンスを肉付けしていく
瞬発力と確かさがあって・・・。
舞台美術や照明も、
彼らの表現の切れをしっかりと舞台に刻み込んでいくのです。

サスペンス的な要素も
人の記憶に対する想いも、
実は大っぴらに描きこまれているのですが、
それが観る側に単純に語られるのではなく
エピソードの重なりとともに
フォーカスが生まれていくようなテイストのなかで組み立てられていきます。
シーンをつないだり、広げていく北尾亘の振付も秀逸、

着実に視野が広がり、
世界に取り込まれていく感じに
作り手がしたたかに観る側を掌に載せているというか(褒め言葉)
物語の語り方や見せ方を知っているのだなぁと思う。
終わってみれば、物語の熱を受け取りつつ、
役者たちそれぞれの魅力がしっかりと印象に残って、
今後も見続けたいと思うトリガーを持った、魅力溢れる役者もてんこ盛り。

観た回はダブルコールの終幕となりました。
客席と舞台の空気がしなやかに重なったような場の肌触りが
とても心地よかった。

今後も定期的に作り手の作品を観たくなりました。
もちろん、また、12ヶ月連続でやれとは
申しませんが・・・・。

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