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蜂寅企画「きら星のごとく」江戸を今にするビビッドな時代劇

2012年4月1日ソワレにて蜂寅企画「きら星のごとく」を観ました。

会場は王子小劇場。
時代劇としての風合いの中に、今風の感覚もしたたかに織り込まれて・・・。
後半の外連も鮮やかに決まり
作品にぐぐっと引き込まれました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

戯曲・演出  中尾知代

出演 :山口紗貴 福島慎之介(FACE PLANNING) 
井貝大志(ティアスエンド) 島田紗良(クレイジークライマー) ヲギサトシ
小林 肇 磯矢拓麻(劇団芋屋) 残間統 吉岡亜沙美 長谷川修大(THE TEAM 花鳥風月) 
玉井勝教(劇団芋屋)
馬場史子 
あンな邦祐



時代劇として、
観る側の目の惹き方を作り手は知っているのだと思うのです。

役者のお芝居の目鼻立ちがくっきりとしていて
ちょっとした見栄のきり方や
殺陣の躍動感、
さらには人情の醸し方、
個々のシーンにハリがあって
その作りこみも作りこみも
本当にしたたかにしっかりと
観る側のツボを心得ている。

一方で単なる勧善懲悪物のような
薄っぺらい色のつけ方で
場を染めたりしないのも心地よくて
気が付けば物語に身を委ねている感じ。
物事の表裏それぞれをくっきりと書きわける力があって、
その先に生まれるものには
わかりやすいことでの甘ったるさが霧散し
観る側が得心し委ね得る
ナチュラルにビターなテイストと
透明感を持った必然があって・・・。

だから、終盤の外連が映える。
それは舞台美術の力でもあるのですが、
物語に編みあげられたものを一気に
開き、俯瞰させ、観る側に空を見上げさせる。

さらなる洗練に至る余白はあると思うのです。
前半のエピソードの組み方などの置かれ方などは
もっと観客を捉えるやり方がありそうだし、
絵から抜け出たキャラクターの
水を被ったあとの姿なども
台詞で現わすのではなく
衣裳やさらなる所作の工夫で
もっと奥行きを作れそうに思えて。

とはいっても、
時代劇というジャンルの中にビビットな感覚をしたたかに織り込み
メリハリを古い感覚に置かず
とても今様な力として観る側を取り込んでいく作り手のセンスには
癖になるようなテイストがあって。
客席の年代や雰囲気からも
作品の間口の広さが伝わってくる。

奥に高く組まれた上段のステージもしっかりと機能して。
屏風の絵や、凧のデザインも凄く良くて
見ていて飽きず、物語をしっかり支えていて。

古さを全く感じさせない、
でもしっかりと江戸時代に観る側を包み込んでくれる
今風時代劇、
たっぷり楽しめて
なおかつ集団としてのさらなる成長を予感させる
とてもよい舞台だったと思います。

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