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BoroBon企画「ことば Vol.2」様々に豊かな語りたち

2012年4月2日ソワレにてBoroBon企画「ことば Vol.2」を観ました。

会場は地下鉄江戸川橋から徒歩5~6分の場所にあるPerforming Gallery&Cafe絵空箱。

様々な彩りや秀逸な語りの空間を、がっつりと楽しませていただきました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください

構成・演出・出演/水下きよし

出演:井上啓子・岡野真以・川西佑佳・久保田芳之・仲坪由紀子・中道裕子・温井摩耶・はざまみゆき・蜂谷眞未・伴美奈子・藤谷みき・山藤貴子
(私が観た回、公演日によって出演者には多少の変動があるようです)

自由席、開場時間にちょっと遅れて、
他のお客様との位置関係などもあり、
ほとんど意識もせずに着いた席がなんと最前列の中央・・・
しばらくして、これはさすがに、とおもった時には
周りの席もほぼ埋まっていて・・・。

開演すると冒頭には、
役者達のポジション争いなどもあって、
いきなりのド迫力、
その迫力に押されたりもするのですが
でも、やがて、
役者達が目の前で
さまざまに重ねていく表現たちのひとつずつにこそ
心を捉えられていきます。

言葉や文章などが
さまざまな形態をとって観る側を浸していく。
文章も、小説であったり、随筆であったり、
時には歌の歌詞だったり。
フラダンスのしぐさの意味が語られたりも・・・。
その表現のフレームも
ランダムに与えられた文章を読むようなやり方があったり
いくつもの短い文章が重ねられて世界が生まれたり
舞台の幅をいっぱいにつかっての
二人芝居のような小気味のよいやり取りが現出したり
随筆や短編小説の世界が
腰を据えて語られたり・・・。

ランダムに与えられた文章を読み上げるという
役者達の瞬発力を楽しむようなパートも
あるのですが、
基本的には文章が
役者に抱かれ、咀嚼され
表現として舞台を満たしていく。
観る側も最初は、
ただやってくる言葉を追いかけていたのが、
気がつけば、
キャリアに裏打ちされた実力派ぞろいの役者達が
取り込み、咀嚼し、豊かな創意とともに紡ぎ出していく
質感や肌合いや想いの色に
包まれ、揺らされ、染められている。

まもなく出産を迎えるはざまみゆきさんの肩に手を置いて
他の役者達がそれぞれに選んだ文章を
渡していく。言葉と舞台上のふたり+α(初舞台?)の姿の美しさ。
昔から耳に馴染んだ慣れた曲の歌詞が
役者達の言葉に編み直されて
新しい肌触りへと変わる驚き。
読みざわりを知り尽くした作家の文章の
耳触りから生まれる異なる世界の新鮮さ。
大きな絵本をながめながら
絵の説明のように聞いていた語りは
いつしかふくよかな語りの表現で広がる物語の風景に
変わっていく。

ほんの数メートルの距離からやってくる
役者達が語る刹那や、空気や、風景や、物語や、
時には生きること俯瞰、
2時間で観ている側も
抱えきれないほどの印象をもらって、
でも、それらが、混じり合うことなく
観る側の内心に居場所をつくり
すっと置かれていく不思議。

最初は役者たちに圧倒されどきどきと座っていた最前列の席も、
終わってみれば申し訳ないほどの特等席。
通常の舞台での表現とは一味違った、
役者達それぞれが持つ
味わいにも触れることができて。

これまでに触れたことのないような
言葉とそれを演じる役者たちの
オーソドックスで斬新な豊かなテイストに満たされ、
高揚したまま
とても贅沢をさせていただいた心持ちとともに
家路をたどったことでした。

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