38mmなぐりーず「お披露目ライブ」、アイドルの態での実力派たちの表現
2011年12月24日ソワレにて、「38mmなぐりーず」おひろめライブを観ました。
会場は新宿シアターミラクル。
アイドルのデビューイベントというには、
魅力と底力のありすぎるユニットのパフォーマンスを
堪能しました。
(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください。)
構成・演出・プロデューサー:池田智哉
出演:38mmなぐりーず
石井舞 氏家綾乃 佐山花織 真嶋一歌 美川菜穂 安川まり 山崎未来 若林えり
実をいうと、何が行われるのか、
行ってみるまで全くわかりませんでした。
ただ、キャストもスタッフも
とても期待を抱かせるチームであることは間違いなくて・・・。
チラシもそんなに派手に入っていたわけではないし、
チケットの発売も公演日の2週間前を切っていたり。
公演日の少し前からHP上に情報や稽古場の映像などが出て
少しだけ雰囲気がわかったのですが・・・。
そうはいっても、準備期間が短そうなこういうライブって
グタグタに崩れるケースも多く、
当日、ドキドキしながら本番を待ちます。
歌は4曲、間にコントが2本入る構成・・・。
いやぁおみそれしました。
もちろん、通常舞台に立っているキャストたちだし、
ある程度のことは素でもできるのでしょうし、
谷賢一、上野友之、ハセガワアユムといった
今、脂が乗り切っている劇作/演出家たちの
作詩にもしっかりとしたニュアンスが込められていて・・・、
その歌詞が実に丁寧に歌い込まれていくのです。
何人かのプロとしての歌唱力は知っていたのですが、
他の演じ手たちからも曲を歌い込んでいる感じが伝わってくる。
あとで当日パンフレットを読むと、
5日間の合宿を経ての公演だったそうで、その努力がしっかり報われた感じ。
コントは冨坂友、オカヨウヘイの二人が脚本を担当、
演じる力を持った役者がきちんと作られたコントを演じると
当たり前に引き込まれる。
ガチで作られているというか
舞台のクオリティがきちんと担保されているというか・・・。
表層の間だけに流されることなく、
場の構造がしっかりとあるので、観る側がそらされないというか
ダンスにも切れがありました。
若干乱れたのはわずか一か所だけ・・・。
それも彼女たちの技量ではなく
舞台の広さの問題かと思われる。
二階堂瞳子、北尾亘、木川成の三人のchoreographer達の仕事には
役者力のより強い踊り手にも
妥協を観る側に一切感じさせないだけの創意があって。
最前列で観ていると、
ぞくっとするような動きの切っ先が伝わって
全体の構成に個人から溢れる表情の魅力が
きちんと観る側を取り込んでくれる。
このようなショー形式で観客を満足させる
光ものが3曲目、
早口言葉のような歌詞がしっかりと歌われて、
しかもそこだけにとどまらず身体の動きが観る側を圧倒する。
ぞくっとくるようなグルーブ感、息を呑むような刹那ごとの切れ、
一人ずつの演じ手の魅力に別の光があたり、
観る側をもう一歩舞台に引き込んでいく。
1時間を少し超える舞台でしたが、
「38mmなぐりーず」としての態と
演じ手たち個人の印象のバランスがとてもよくて、
なによりも、エンターティメントとしてのメリハリが、
折り目をもって作られているのがよい。
よしんば若干ラフな部分があっても
要になる部分が作りこまれているので
観る側がきちんとゆだねられるのです。
終演後の握手会(?)もご愛嬌。
今後どのような展開がなされていくのかは知る由もありませんが、
様々なベースの力に満たされたこの集団、
今後の可能性という意味でもいろんな間口があるような気がして・・・
もし回を重ねていくのなら
見続けていってしまう気がします。
なによりも、クリスマスイブのひと時、
とても、豊かな気持ちで過ごすことができました。
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