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ホチキス「砂利塚アンリミテッド」個性が被らずに編み上がる

2011年10月5日ソワレにてホチキス「砂利塚アンリミテッド」を観ました。
会場は王子小劇場。

役者たちの個性をたっぷり楽しむことができる、
秀作でありました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください。)

作・演出:米山和仁

出演:加藤 敦 小玉 久仁子 村上 直子 齊藤 美和子 山本 洋輔 小野 哲史  齋藤 陽介 津留崎 夏子 なしお 成 星野 祐介 村上 誠基

それほど複雑な物語構成でもなく、
ドラスティックな展開があるわけでもない。
ただ、設定自体に
現実離れしたものがあって、
それが自由にキャラクターたちの個性を解
き放っていきます。

役者たちがうまくキャラクターにのっているかんじ。
キャラクターと演じ手の味がそれぞれに表裏一体となって
場の雰囲気を編み込んでいく。
多分にコメディテイストなのに
観る側が、どこか距離を持たずに馴染んでしまうような魅力が
場の雰囲気にあって・・・。
そのなかで、どのキャラクターにも舞台上での居場所が担保され
それぞれが被ることをなく、
むしろ、他のキャラクターの細部を照らすような力があって。

父親の雰囲気、母親の強さ、娘の想い・・・、
そこには、ちょっとレトロな家庭の雰囲気があって、
彼らを取り巻く従業員や、出入りする人々にも
よしんばそれが手であっても、
場を満たすニュアンスが作られている。

しかも、役者のお芝居に切れがあるので
笑いがちゃんとエッジをもってやってくる
仕掛けがあったり、照明が作り出す圧倒があったりと
メリハリが強い舞台ではあるのですが、
役者がそれに負けていない。
物語が奇想天外な方に流れても
観る側から乖離しない。
どんなベクトルであっても
そこには観る側が舞台にゆだねられるような
わくわくの安定感があって。

で、後味もよいのですよ。
ただ、笑ったとか感動したとかいうのではなく、
心がすっと透き通って満たされるような感じまでが醸されて。

総合力の舞台なのだろうなとは思うのです。
いろんな魅力を感じつつ、
それらが突出することなく
観る側を満たしていく感じが時間を忘れさせる・・・。

出色の舞台だったし、
作り手はもちろんのこと、役者たちの次の舞台を観たくなるような・・・。


本当に面白かったです

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