Di-remma創刊企画「スカートの裾まつり」緩くて楽しくてやがて凄さを感じる
2011年5月4日の午後、Di-remma企画「スカートの裾まつり」に行ってきました。
会場は五反田アトリエヘリコプター。
催しのコンセプトはコンセプトは「30代女性の文化祭」とのこと。
2時間半ほどの間に、
盛りだくさんの出し物を観ることができました。
そして、終わってみれば、30代女性の脂ののった
舞台表現の技量に魅せられておりました。
催しもののURLはこちら:http://blog.livedoor.jp/susomaturi/archives/50554127.html
(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください。)
曇り空の下、大崎駅から会場までゆっくりと歩きます。
舞台を観に行くという感覚はほとんどなく、
散歩がてらにちょこっと催しものに寄るような感じ。
会場の雰囲気にしても、開演まで映し出されている映像にしても
冒頭のコーラスにしても、
「30代女性によるの文化祭」の態が作りこまれていて。
なんというか「文化祭」がもつどこか仮作りの雰囲気が
うまく醸されています。
とはいうものの、なにせ30代のキャリアのある
それぞれの分野での技量をしっかりと持った演じ手たちですから
出し物たちの作りには
しっかりとした品質があって・・・。
ダンス「乙女の祈り」には、
洗練されたエスプリやエロティシズムに
鳥肌が立つような躍動感が
しっかりと織り込まれていく。
(ダンサー:加藤朋美・手塚紀江)
短篇の芝居「いちこじまさん」(4日のみ)には
作・演出(シンクロ少女・名嘉友美)らしい
したたかな構造があって。
役者た(ちの舞台の組み上げ方や空気の醸し方にも
舌を巻く。
これ、マジでおもしろかった。
(出演:市子嶋しのぶ・兵藤久美)
歌のパフォーマンス「その席が空いているのなら」
にも演劇的要素と色があって
演者(西田夏奈子)の半歩突き抜けた感じに
じわじわ引き込まれていく。
短編映画「ホクロード」の後のパネルディスカッション
「4日昼は「現代社会における30代女性は何なのか」も
いろいろと虚実が入り混じっていて
ふくよかに可笑しい。
演じ手が、カルチャーの態を崩さずに、
ある種のクオリティを持ったゆるい笑いを創り出していて、
観る側がその世界にするりと取り込まれてしまいます。
(司会:菊川朝子、パネリスト:山本由佳、江川瑠衣、坊薗初菜)
マトリョミンなどという
テルミンの応用みたいな楽器も初めて観ました。
その何ともいえない音質が
ウクレレとの合奏で醸し出すものにも
30代女性の少しの諦観と
たくさんの想いの肌触りがあって。
選曲も良くて
「30代女性」のナチュラルな質感に
さりげなく包みこまれる。
(ウクレレ:江川瑠衣、マトリョミン:佐藤沙恵)
また、入場時や休息中に観た会場のインスタレーションにも
遊び心のなかに、30代女性の過ごしてきた、
あるいは過ごしている時間をそこはかとなく感じることができるのです。
この催し、際立った派手さはないのですが、
連休中にふらっと足を運ぶのには
実におすすめの企画だと思う。
肩がこらずに楽しくて、
で、気が付けば
「なんかすごくおもしろいものを観た!」みたいな感覚が
さりげなく残っているのが
凄く良い。
がんばって数年間、
この時期に開催を継続していけば
同じ場所でお正月に定例化した新年工場見学会のように
演劇界の一つの風物詩として
定着するような気もします。
それだけのアイデアと品質をもった
催しでありました。
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