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ぬいぐるみハンター「くちびるぱんつ」広がりと収まりの先・・・

2010年1月27日、ぬいぐるみハンター「くちびるぱんつ」を観ました。場所は王子小劇場。

この劇団、前回公演が馬鹿におもしろくて。今回の公演も楽しみにしていたのですが、その期待をさらに超えるものに満たされて・・・。

どっぷりと楽しむことができました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

作・演出:池亀三太

劇場の奥に客席を組んで
ロビーまでを舞台にして・・・。

1000年の物語をご都合主義でお送りしますという宣言は
おっしゃる通りで、
下世話な話と時間の広がりがごった煮のように展開していきます。

個々のエピソードのルーズさが
なにげに楽しい。
パンツのやり取りから
乾燥機やトイレの修理までが
巡り合わせという感覚、
いい加減がふいごのように働いて
物語に勢いが生まれ展開していく。

しかも、そのご都合主義が観る側に馴染むのですよ。
銀河鉄道の切り取り方や
「イメージが違う!」というお約束のつっこみも
地球防衛軍のゆるさやいい加減さも
なにかとても観る側に
馴染んで当たり前のごとく惹かれる。

シーンそれぞれの空気が
ちゃんとふくらんでいるのがよい。
役者たちの台詞のタイミングや動きにリズムがあって
ちょっとしたぼけ・つっこみなどが
使い捨てられずに舞台の温度につながっていく。
それらの重なりもしたたかで
観る側がゆだねられるような安心感があって。
その安心感があるから
繰り返される舞台上の疾走が
ガタつかずたまらなく心地よいのです。

でも、それだけではないこの舞台・・・。
終盤、エピソードたちが一つによりあわされて。
記憶や刹那の感覚の
その場所にすっと納められていく姿に
心を奪われてしまう。
ジャングルジムのひと時が
時間の流れに置かれるなかでの
切なさにすっと染められる。

走り続ける姿や、過ごす時間が
観る側の日常の立ち位置と重なって、
その感触から見える
観る側自身が抱えたもの過ごした時間を
やわらかく揺らしてくれるのです。

整然としていないいろんなことや
想いの中でのふくらみが
ジャングルジムに納められて
リフトオフしていく感触に
わくわくと心を満たされて。

出演:神戸アキコ 猪股和磨 竹田有希子

安藤理樹(PLAT-formance)   浅利ねこ(劇団銀石) 浅見臣樹 桐村理恵 藤吉みわ 丸石彩乃 熊川ふみ(範宙遊泳) 沖山麻生(タマコロ) 加藤諒 萱怜子 こじまゆき 長瀬みなみ 八幡みゆき 湯口光穂

個々の役者の個性や良さが、埋もれることなくそれぞれに伝わってくることにも瞠目。

終演時には
役者たちのフィジカルながんばりや
ラフにも思える設定の中での
とても滑らかな高揚のなか
1000年にまで伸びる時間軸のなかにおかれた
一抹の孤独に染められている。

なんというか、
癖になるような時間、
終わってみればかなりすごい。

前回公演同様に
次も観たい感いっぱいで
劇場を後にしたことでした

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