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うさぎストライプ Vol.0 「おやすみなさい」切り取るセンス

2010年12月22日 ソワレにてうさぎストライプ Vol.0「おやすみなさい」を観ました。会場はアトリエ春風舎。

作り手の才の片鱗を感じることができました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

構成・演出・出演:大池容子

出演:石原菜々子・岩田美郷・亀山浩史

客入れ時にはすでにひとりの役者が床に座っていて
パソコンに向かい合っている
そこに3人の役者たちがランダムに現れて・・・。
開演前のその時間は
特に非凡なものではないのだけれど
作品としては意外に効いてくる。

マイムで眠りの準備をして・・・
やがて夢のサマリーのような文章が
一つずつスクリーンに投影されていきます。

観る側も最初のうちは
スクリーンに投影された
夢のコンテンツを追いかける。

がっつり夢という感じではなく、
夢と現の狭間に浮かび上がる
コントロールを失った
記憶と想像のカクテルのようなプロットたち。
その、すっと現実から解き放たれたような微妙な歪みに
淡い眠りの中での夢としての質感が醸し出されていきます。

そのうちに、3人の役者の間での
表現の微妙な差異が、
さらにはスクリーン上の物語から
どこか乖離したような舞台上の雰囲気を生み出していく。
やがて物語から離脱する仕草が現れて
制御をなくした想像と気分が
眠りの波打ち際にたたずむような時間を
織りあげていく。

パソコンの横に置かれた薬瓶、
ほぼうつむいたままの役者の仕草。
その後ろ姿に漂うどこか醒めた雰囲気に
まどろみを行き来するような
感覚が降りてきて・・・。

よしんばそれらが曖昧なものであっても
舞台上の空気が
単に物語を追う感覚の外側にまで広がっているから
後半の気分の不安定な揺れも
さらに薬をのんでやがて眠りに落ちていく感覚も
すっと観る側に入り込んでくるのです。

作品として、
シーンがつながっていくスムーズさやメリハリには
若干欠ける部分があるのかなぁとは思う。
前半部分のあいまいさ、
たとえば夢のプロットに縫い込まれたものや
役者が担うロールなどは
もう少しクリアにされても良い気がするし、
音楽の使い方なども、
もっと繊細であってよいとは思います。

しかし、そうであっても
終盤の眠りに落ちていく感覚などには
ぞくっとくるような秀逸さがあって・・・。

もっと豊かに伝わってくる余白はあるのでしょうけれど、
時間を切り取るセンスのようなものに作り手の才の萌芽をしっかりと感じることができる
舞台でありました。

 

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