« miel(ミエル) #001 『こ こ ち  り』スタイリッシュに潜む深さ | トップページ | 劇26.25団「可愛い怪物」口当たりの軽さを醸し出す力量 »

ろりえ「女優」ボリューム感の必然性

2010年12月24日、ソワレにて
ろりえ「女優」を観ました。

「おんなやさしい」かぁ・・・と感嘆。

がっつりと見応えがたっぷりの舞台でありました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

脚本・演出 奥山雄太

劇場に入ると、なにか常ならぬ圧迫感。
そそり立つような舞台左右の壁と奥まった舞台中央を観て、
これはなにかあるなとは思ったのです。

でも開演して、稼働を始めた舞台装置の想像を超える仕掛けに愕然・・・。
最初何が起こったのかと思いました。

動きにの果てしない感じにも驚かされる。
大丈夫なのかとも思う。
でも、この舞台装置の真のすごさは
単に外連をしているのではなく、
そのあざといまでの動きで、舞台上に
物語を内にたたえるために必要な大きさを
確保していること。

それは、上演時間の長さにしても同じこと。
休憩をはさむとはいえ3時間弱というのはあまりない長さかと思うのですが、
そこにはしっかりと制御された
物語の現れ方を作るに必要十分な時間があって・・・。

ドロドロ感と醒めた感覚が
しっかりと織りあげられていく。
長くてもスカスカした感じがない。
キャラクターたちの個性も
語られるのではなく
しだいにあるがごとく伝わってくる。

その満ち方があるから
物語の奇天烈な部分が浮かない。
終盤の踏み外しが、物語を広げる底力になっていくのです。
うるさいことを言えば物語の構成にも粗さがあるし
舞台装置も確信犯的に舞台裏を垣間見せたりする。
でも、それらが舞台を荒ませたり冷え込ませたりせず、
それどころか、作り手はその質感を逆手にとって
物語をすっと踏み越え
コアにある登場人物たちの
色を際立たせているようにも思える。

作り手の腰の据わった表現へのこだわりのようなものが、
見事に観る側を捉えてくれる・・・。

出演:
梅舟惟永
斎藤加奈子
志水衿子
徳橋みのり(以上ろりえ)

安藤理樹(PLAT-formance)
尾倉ケント(アイサツ)
並木大輔
堀越涼(花組芝居)
松下伸二

高木健(タイタニックゴジラ)
松原一郎
横山翔一(お前と悪戯酒)

役者たちの出来もよかったです。

梅舟、堀越が演じる兄妹の秀逸は言うに及ばず
劇団員たちや客演陣それぞれが
舞台上にべたつかず深い印象を作りだしていて・・・。
それが、舞台に不思議になじむ。

劇団員たちも外部客演等を重ねる中で、
しっかりと腕を磨いていることも伝わってくる。

終わってからやってくる
時間をしなやかな重みに変えるような
高揚をもった感触に瞠目。
作・演出や役者、さらには見えないスタッフからも伝わってくる
劇団の突き抜け方がしっかりと生きた劇団総力戦の大力作に
ひたすらうに圧倒されてしまいました。

まあ、前回公演の「温度」といい、
この劇団には観る側も押されっぱなしなのですが、
押される価値があると感じさせるところに
作り手の真骨頂があるようにも思えて・・・。

その緻密な無茶にも惹かれてしまうのです。

|

« miel(ミエル) #001 『こ こ ち  り』スタイリッシュに潜む深さ | トップページ | 劇26.25団「可愛い怪物」口当たりの軽さを醸し出す力量 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ろりえ「女優」ボリューム感の必然性:

« miel(ミエル) #001 『こ こ ち  り』スタイリッシュに潜む深さ | トップページ | 劇26.25団「可愛い怪物」口当たりの軽さを醸し出す力量 »