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15Minutes Made #10 粒ぞろいの表現

2010年12月17日ソワレにて15Minutes Made #10を観ました。場所は池袋シアターグリーン Box in Box シアター。

回を重ねるごとに進化していくこの催し、今回は個々の作品の輝きに強く心惹かれました。

(ここからはネタばれがあります。十分にご留意ください)

各劇団とも15分の表現にとまどいがなく、むしろ短篇の利点を生かした作品が次々にやってくる感じ。

・少年社中

『僕ら』と『ノストラダムス』の1999年の大晦日
作・演出:毛利亘宏
出演:堀池直毅、井俣太良、大竹えり、岩田有民、加藤良子、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文

キャラクターの設定などや時間設定など、どこか薄っぺらくあざとい感じもするのですが、それを引っ張りきってしまう底力がありました。

濃い感じはしないのですが強い。

物語としての筋の通し方にも手練を感じて
15分とは思えないボリューム感がありました。

・ぬいぐるみハンター

血がみどり
作・演出:池亀三太
出演:浅見臣樹、萱怜子、浅利ねこ(劇団銀石)、猪股和磨、神戸アキコ、こじまゆき、八幡みゆき、丸石彩乃、湯口光穂、長瀬みなみ


前回の本公演を観たときにも圧倒的だったのですが、
そのエキスがこの掌編にも
たっぷりと盛り込まれておりました。

枠の外し方という別のベクトルの差し込み方に
観る側の想像を乗り越えたり塗り重ねていくような
面白さがあって。
しかもそれが
霧散しないで蓄積されていく感じに
あれよあれよと引き込まれていく。

細かい仕込みがてんこ盛り。
その繰り出し方もしたたかで
なおかつ緩急自在。
突っ張る部分と外す部分のバランスが抜群によい。

これはもう
次回の本公演が楽しみになりました。

・トリコ劇場

君とは無理
作・演出:米内山陽子
出演:芝博文、田中千佳子、中村貴子、小山待子(zacco)、成川知也


冒頭の雰囲気はちょっと色の濃い家庭内愛憎劇なのですが、
そこから意外な感覚が生み出されていきます。

戯曲のしたたかさが、きちんと観る側の視点をコントロールしていく。
男や3人の姉妹に視線を惹きつけておいて
その先をさらっと現出させる・・・。

3人の女性たちそれぞれが
すっと母親の一部に集約されていく態には
ぞくっときました

その夫婦間の愛情の浮かび方も本当に秀逸。
ラストシーンが持つ
深さや厚み、
そのふくよかさに作り手の力量を感じました。

===intermission===

・世田谷シルク

model:unkei
脚本・演出:堀川炎
原作:夏目漱石「夢十夜」
出演:石井 舞、大竹 沙絵子、大谷 倫之、下山 マリナ、野村 美樹、原 瑞穂、前園 あかり(バナナ学園純情乙女組)、堀川 炎


一つずつのシーンが丁寧に作られ、息をのむほどの洗練と表現力に満ち
しかもビビットで創意にあふれていました。

表現のひとつずつに目を引くような力があり
それらがなによりもわくわくするほどに楽しい。
刹那ごとに惹かれるのは
役者たちの演技がもつ切れであったり
一歩観る側を凌駕したような
舞台上の空気やセンスであったりもするのですが、
夢と現の端境の作り方や
女子学生のヌードのスケッチというベースが
場ごとのしなやかな枠となって
その楽しさや刹那のビターさが拡散せず、
舞台上でさらに醸成されていく。

この質感だいすきです。
よしんば短編であっても、
むしろ短編であるからこその
ぞくっとくるような魅力にしっかりと浸されて。

観ていて思いっきりわくわくして、深く豊かに楽しかったです。

・田上パル

ミートくん
作・演出:田上豊
出演:松髙義幸、平岩久資、二宮未来、安村典久、猪瀬青史、髙麗哲也、角 梓、南波 早、松田裕一郎


ある意味ワンアイデアなのですが、
貫き通す力にしっかりと裏打ちされていて
観る方が飽きずにもっていかれました。

なんというか
舞台上に迷いがないのがよい。
多少ラフな部分を感じないわけでもないのですが、
舞台上のコアにある掟がしっかりしているから
観る側がとまどわないし迷わない。
むしろ、そのラフさが
舞台上の嘘に観る側を導く味のようなものになっていて。

この作品、45分バージョンで演じられるということですが
どんな展開になるのか・・、
実際に伺うかどうかは別としても
ちょっと心惹かれてしまいました。

・Mrs.fictions

東京へつれてって
作・演出:中嶋康太
出演:岡野康弘、黒木絵美花


キャラクターたちに厚みがあるとか深さがあるとか
そういう印象があまりないのに
なにか観ていくうちに
それぞれの味わいのようなものが
じわっとやってきます。

どこかデフォルメされた
コミカルでうすっぺらい会話から
それぞれの時間、そして二人の時間の重なりが
ホログラムのように浮かんでくる。
深く浸潤されるというわけでもないのですが、
気がつけばどこかがほかっと暖かくなるような
感覚が生まれていて。

そういう染められ方をしているから
最後のワンシーンが・・・沁みる。
彼らの人生の刹那を垣間見て
ふっとその後ろ姿に目がいくような感じ。
どこかシニカルでさらっとした洗練があって、
心に残りました。

*** *** ***

観終わって結構な充実感・・・。
エレベータを待つ間には
また来たいとの声も漏れ聞こえてきて・・
この企画、本当に良い形で定着したなと思います。

ほんと、来年の展開への期待が膨らんだことでした

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