ロロ「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」、再演に失せない鮮烈さ
2010年10月20日、ロロ「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」を観ました。会場は新宿眼科画廊。
この作品は昨年初演を観ていて、強い印象を持ちました。(http://riichiro.air-nifty.com/rclub_annex/2009/07/post-bb88.html ←その時の感想が記載されています)
で、丁度もう一度観たいなと思っていたころに今回の再演。わくわくと会場に足を運びました。
(上記の初演感想も含めて、ネタばれがありますので、お読みになる際には十分ご留意をいただきますようお願いいたします。)
【脚本・演出・出演】 三浦直之
【出演】 亀島一徳 篠崎大悟 望月綾乃 北川麗 小橋れな 崎浜純 多賀麻美
少し質感が変わっていた気がする・・・。
カオスが初演に比べて薄くなって
その分、よりくっきりと
小学生たちの感覚が伝わってきました。
でも、やってくる感覚の鮮烈さにはなんの遜色もありませんでした。
幼さというかその年代の薄っぺらさと
膨らみの余白が観る側の何かを超えて
ダイレクトに伝わってくる。
デフォルメの仕方がしなやかで
単純になにかを抽出するのではなく
そこからもう一歩踏み込んで描き出す力にぐぐっと押されます。
ベタなウィットが
小学生的な感覚のリアリティを醸し出していく。
どこか不器用な包み方の想いから
ピュアな気持があからさまに溢れだしてくる感じ。
そう、いくつもの
心惹かれるシーンがあって。
先生の演技の切れや
生徒たちの感覚の不思議な正直さが醸し出される刹那の
ひとつずつがとてもよい。
柔らかく繊細なニュアンスを
貫き通すだけの踏み込みの強さを
役者それぞれがしっかりと持っていて。
だから、キャラクターの想いが
崩れたり埋もれることなく
卒業の時間にしっかりと息づいていく。
ひとつには、役者の安定度が初演よりはるかに増していたように思います。粗っぽさが薄れ、着実に想いを観る側に手渡す手練が感じられて。
前述のとおり
初演とは若干肌触りも違ったのですが、
(個々の想いのモアレのような部分がそぎ落とされた感じ)、
初演と変わらぬ鮮烈さがそのまま残り
揮発しない感覚がずっとそこにありました。
なんにしても、新宿眼科画廊のあのスペースで
これを見るのはほんとうに贅沢。
ほんと、良いものを拝見したと思います。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント