閑話休題、時間の道標になるような弾き語りライブ
少し前になりますが、2010年6月4日、東急東横線学芸大学駅のちかくでピアノ弾き語りのライブがありました。
私のマイミクさんのステージ。その歌声に心を全体を高揚させるような力があって。お知り合いのコンサートというレベルをはるかに凌駕したふくよかな感動につつまれました。
(続きがあります)
新関ちこさんのことを知ったのは、数年前、急な坂スタジオの駐車場で、ニブロールなどでも踊られているダンサーのたかぎまゆさんのパフォーマンスを観たのがきっかけ。あまりのインパクトにその場に棒立ちになってしまうような体験をさせていただき、それをブログやミクシーに書いたところ、たかぎさんの歌のレッスンをしていた彼女からメールをいただいて・・・。それからずっと、ミクシー上で彼女の日記を拝見したり、時にコメントを書かせていただいたりしていたのですが、今回8年(?)ぶりにライブをされるとのことで会社帰りにわくわくと足を運ばせていただきました。
それからずっと、ミクシー上で彼女の日記を拝見したり、時にコメントを書かせていただいたりしていたのですが、今回8年(?)ぶりにライブをされるとのことで会社帰りにわくわくと足を運ばせていただきました。
開演前から、店内は彼女を知る人たちでほぼ満員の盛況、そして、8時を少し過ぎてライブが始まります。
最初にミュージカルナンバーをピアノのみで一曲。場内を心地よい喧騒から音楽の色に染め変えて・・・。そこから弾き語りで歌が綴られていきます。
上海バンスキングからのナンバーにいきなり心を摑まれた。個人的に大好きだった自由劇場の舞台の質感がそのままやってくる・・・。舞台のオープニングがそのまま溢れだしてくる感じ。迷いのない強さをもったキーのタッチ、安定感がありしっかりと抑揚の効いたその歌声。ピアノと音色と彼女のボーカルの上に、博品館で観た(歳がばれますけれど)、華やかなチャイナドレスの女優達と小粋なバンドマンたちの姿が魔法のように現れる・・・。
その余韻を残したまま、ひとつのジャンルにかたよらない様々な彩の歌が、聴く側を包み込みその心を満たしていきます。知り合いだからなどという甘えなど歌う方にはそもそも存在しないし、聴く方からも最初の一曲でそんな斟酌などきれいさっぱり吹き飛んで。ウェルカム上海でガチに上がった純粋な音楽に対する感動のハードルを、続く曲たちが心地よい軽やかさでクリアしていく。
シャンソンの軽さに裏打ちされた洗練と温もり、歌謡曲からやってくる懐深い心の揺れ、J-Popの力、イタリアンポップの粋・・・。その空気は、歌声喫茶のように会場内全員が合唱するようなナンバーでも、その場から衒いを消して高揚を醸成していく。曲の入り口のしなやかさが、やがて力づよいグルーブ感へと変わっていく刹那に魅入られる。まっすぐに貫く力、豊かにふくらみたゆらぐ世界・・・。一人の女性と一台のピアノから、こんなにも多彩な表現が生まれていく。それが大上段に振りかぶるのではなく、まるですっとボールをトスされるような、あたたかさをもった親しみに満ちた雰囲気からやってくるのです。
しかも、特にライブ中盤以降の彼女の歌を聴いていると、これだけ観る側を楽しませても、枯れないどころかさらに広がるような底力を感じる。観客の前で歌うとか聴かせるということが、長いブランクを取り戻すだけではなく、持つ力をさらに研ぎ磨いていく循環になっている感じがする。あるレベルを超える表現をする人には、きっとそういう力が与えられているのだとおもう。
今後の音楽活動は未定とか・・・。でも、継続して歌い続けてほしいと思います。自分のペースでよいから、季節ごと、いや半年でも一年に1度でもよいから、今回のようなライブで、あるいはいろんな形態で歌い続けていけば彼女の中でさらに昇華するものがきっとあるように思えるし、そのことは今回を超えて聴く側にもたくさんのものを与え続けてくれるはず。
遠くであっても、定まったライブがあればそれは楽しみになる。そして、楽しみは再び満たされた時間となって記憶に刻まれていく。前回と同じ曲が聴けるのも素敵だし、同じ曲なのに違った色を感じたらそれもうれしい。初めての曲が聴けることにもわくわくしたり・・・。
まるで、初演や再演の入り混じるお気に入りの劇団の公演を追いかけていくように、そんな時間の通過点を重ねていけることは、与える側にとっても受け取る側にとっても幸せなことだと思うのです。
今回のライブ、そんな風に、人生のトリガーの役割まで果たしてしまうほど素晴らしいものでした。
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コメント
きのうは合唱されたみたい…
投稿: BlogPetのr-rabi(ららびー) | 2010/06/15 15:03