4月4日のラクゴリラ 感想などをちょこちょこっと・・。
4月4日にお江戸日本橋亭にて「お江戸に出没 ラクゴリラ」を拝見。
東京では半年に一度の会なのですが、毎回充実の上方落語を拝見できるので、とても楽しみにしていて・・・。
今回もがっつりと聴かせていただきました。
・桂紅雀 「牛ほめ」
確か枝雀師匠最後のお弟子さんだったはず・・・。その語り口の安定感とリズムのよさで、見る側をぐいぐいと引き込んでいきます。
ちょっと大仰な間にも、押す部分と引き際それぞれに見る側をしっかりつかむ技があって、気がつけば、あほのペースにおじさんが引き込まれてしまうのと同じ感覚が観る側にも芽生えている。
観る側に、ある一線を越えさせるその力に引き寄せられ、他のねたも聞いてみたくなりました。
・林家花丸 「ナイモンガイ」
師匠から習ったことをちょっといじったというフリのわざとらしさが、いきなりストレートパンチで効いてきます。冒頭から強烈。悪友ふたりのうち、片方を外人に仕立てたアイデアの出し方に、いきなりがっつりやられてしまって。
しかも、その店に無い物で相手を困らせるという物語り本来の面白さに、さらにオーバードライブをかけて店側の注文への対応で笑いを取るという、離れ業を見事にやってのけます。こう、商店街にバイタリティがあるのですよ。ナイモンガイをする側を逆に凌駕するような商いをする者たちの力が高座からぐいぐいと伝わってくる。
そこまで、暖めた中だから、たとえば春團治師匠の物まねががっつりと生きる。なんかくすぐりが観る側の快楽にかわるような。
冒頭はけれんがきついかなと思ったのですが、そのけれんに引きずり込む語り口があって・・・。最後まで見事に走りぬけた花丸資料の手練とパワーに脱帽でした。
・桂文三「口入屋」
花丸師匠の後ろということで、なかなかにやりにくいかと思いきや、その語り口でしなやかに場内をまとめて噺に入っていきます。じゃれた後の猫が何度か喉を鳴らして膝に落ち着く感じ。
丁稚がべっぴんさんを路地に誘い入れて、月に二回の魚の配分の交渉をするあたりが凄くいい。こう、お店暮らしの小さな楽しみや、別嬪さんの人となりがすいっと浮き上がってくる。その一シーンの空気から観る側が古着屋の日常に取り込まれてしまうのです。
観る側を一旦その空気に閉じ込めてから、だんだんにはみ出した可笑しさで揺さぶっていく。番頭の妄想のねちっとした感じやその別嬪さんが特技を並べていくくだりの勢いなどからも、そのお店の大きさとか雰囲気とかが滲み出て・・・。
最後のドタバタ夜這いシーンが、高座の空気と混ぜ合わされて上質の笑いに変わっていくのが心地よかったです。
中入
・笑福亭生喬 「応挙の幽霊」
この噺を聴くのは多分初めて・・・。
生喬師匠の枕にはどこか豪放な感じがあって、語りのリズムでぐいぐいと押してくるので、噺に入ってからも、空気が沈まない。冒頭の絵の売り買いの場面も、くっきりと観る側に伝わってくる。やもめにまとまった金が入ったときの気が緩んだ感じが、ふわっと観る側にもやってくる。酒がその雰囲気になじむのですよ。
幽霊が、大きいやつで呑みだしてからはもう圧巻で・・・。くだを巻くあたりから酔い潰れるくだりにはグルーブ感すら感じて。
落ちの部分、幽霊の寝姿が、なんか想像できて、面白さが倍加したことでした。
・桂こごろう 「愛宕山」
ちょっとデフォルメが掛かった感じでテンポがよい。子供衆に頼まれて蝶々を捕まえるところなどから、着々と彼の色に高座が染まっていきます。尻付きのあたりのリズムに観る方が乗せられる感じ。
道中に厚みがあるのですよ。女子衆の描写などから、春の日差しや、山を登るときの軽快さが観る側の肌に伝わってくる。太鼓持ちの負けず嫌いな感じが絵に描いた餅にならず、立体感を持つのです。
その雰囲気が感じられるから、花見用の傘につかまって金を取りにおりる一八の姿にも無理がない。そんなあほなと言いながら、ついついその姿が眼に浮かんでしまう。
こごろう節にがっつりと浸潤されて・・・。充分にみたされた高座でありました。
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いやぁ、みんな脂がのってますわ。それぞれの高座に充実があって。古典芸能という側面もある落語ですが、今回を観る限りは「今」をその時代に引きずり込んでしまうような生きた高座の連続で、もう大満足でありました。
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