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MCR「リブラフレイン」どうしようもなさの先&10月末に観たものちょこっと

2009年10月30日、MCR「リブラブライン」を観ました。この作品、本当に楽しみにしていたのですよ・・・。Co-richの大賞をとったりしてどうなるかと思ったMCRでしたが、そんなプレッシャーなどどこ吹く風といった、実に秀逸な舞台でありました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

作・演出 櫻井智也

多分、物語のプロットだけを聞いたらとても笑えるようなお話ではないのですが、そこに、櫻井流の切り取り方や人の表し方が重なると、絶望感を蹴飛ばすような絶妙なおかしさがはぐくまれ心をすっと浸潤するような軽さと深さが生まれる・・・。

冒頭のシーンにいきなりやられて・・。姉と弟の会話からいきなり作品に取り込まれます。あの、ミルグセーキはやっぱり強烈で・・・。ほとんど落語の「茶の湯」にでてくる風流饅頭の世界ですから。でも姉には有無を言わせずそれを押し通してしまう力があって。物語のゲートウェイがぱっくりと開いて、まんまとその世界にとりこまれてしまいます。そこから友人との世界に移り、さらに姉と弟を取り囲む世界が浮かび上がってきて・・・。

姉妹とその周りを取り囲むもの・・・。

ガンの告知の場面にしても、両親のことにしても、お姉さんの恋のことにしても、1万円の巡り方にしても・・・・・。

厳然とした事実があって、どうしようもないようないき詰まりが生まれても、その先の時間が普通にやって来て、物事が糾える縄の如く進んでしまうことのおかしさ。その突き抜けた感じや、受け入れるしかないことへのペーソスがたまらなく良いのです。

痛みは包丁を振り回すほど深い痛みとしてそこにあって、でも、過ぎ去ってしまった時間や過ぎ去る時間の感覚がその色をしなやかに変えて。

キレよく突んでおいてその突っ込みを打ち砕くようなぼけの説得力にやられたり、しっかりと絞り取られたように見えたエピソードがさらに膨らんで、客側がしてやられた感を持って深く取り込まれたり。借金取りの「実は良い人」ぶりや、終盤に現れる幼いころの姉のイメージから、物語の世界観がしっかりと固まって。うまいなぁと思うのです。

役者たちも、ゆとりを持って絶妙な間を作っていきます。客席対面の舞台もすごく良く機能していて、腰の入った役者どおしの絡み方をとても自然な感覚で味わうことができて・・・。

石澤美和がとにかく圧倒的。櫻井智也によって持てる才能ををがっつりと引き出されておりました。内に抱えるものをとりあえず見せておいて、引き込む後ろ側にさらに外堀を掘るような強さや説得力がありました。決してユーティリティの広い役者さんではないかとも思うのですが、その分MCRの舞台にすばらしく映えるというか、共鳴する個性が内在されている感じがするのです。お芝居にもぶれがなく安心して演じるキャラクターに身をゆだねることができました。それを支える櫻井の繊細なお芝居と突っ込みの鋭さにも惚れぼれ。切っ先の鋭さとだだっと流れてしまうような感覚がちゃんと併存してつたわってくるのです。

木内コギト、小西耕一、小野紀亮の友人組には、個性を持ちながらひとつの空気をつくるだけの力量がありました。きちんとニュアンスを作らなければいけない役回りがしっかりと演じられていて。MCRの強みってこういう部分を担う役者たちのクオリティの高さというかがんばりにも支えられているような気がするのです。

病院のガン(?)患者役の北島広貴の生き延び方は個人的にすごくツボで・・・。ガンを告知される部分のいじめられ役的な部分もよいのですが、生きのびてしまったあとの雰囲気がさらに絶妙。奥さん役の大見遥も場をしっかり読んだ演技で北島が醸し出す雰囲気を支えて・・・。渡辺裕樹の後輩役の人を喰ったような感じも舞台の色に深みを作り出していたと思います。この人のお芝居って強弱いずれもMCRの色とのすごくよい相性を感じるのです。医者役の福井喜朗はある意味MCRのブランドを背負っているのかもしれません。彼がそのスタイルで現れると、もうMCRであるというような刷り込みがMCRのリピーターにはあって・・・。看護婦役の伊達香苗も、心得たというように自らのトーンを作りながら福井を際立たせていました。

看守役の二人、おがわじゅんや・江見昭嘉も渋いお芝居。姉弟を観ているうちに狂っていく何かの表現が絶妙なのです。巻き込まれ感とでもいいましょうか、崩れずにじわっと巻き込まれていくあたりがすごくよい。

姉の同僚、三瓶大介にはどこかつかみどころのない強さがあって好演。姉の子供時代を演じた上田楓子は、短い出番でしたが、印象という意味では強烈でした。物語のベース音が聞こえてくるような・・・。

借金取りを演じた中川智明にはお芝居の冴えを感じて。その実は良い人ぶり、彼でなければ成り立たないとさえ思えて。観ていてゾクっときた事でした。

ラストのパンとミルクセーキが醸し出す、逃げられない・・・、逃げたくもない、その時間のいとおしさに目が潤んでしまう。ふつう、感動するような絵面ではないのですけれど、観る側になにかがしっかりと刺さっているのです。

力むことなく深く、さらに磨き上げられたMCRの世界にますます惹かれてしまいました。

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その他、10月末から11月1週に観たものをメモを兼ねて・・。

*維新派 「ロジ式」

 維新派は初見。その時間軸のひろがりの足元がしっかりしている感じがまず魅力。それと歌の耳触りの豊かさにやられました。

くりかえし、統一感、編み込まれていくような感触。私の出身大学が和歌山だということもあるのでしょうけれど、言葉に懐かしさもあって。(和歌山弁のイントネーションが随所に出てきた気がする)

路地の風景がすっと自分の中から引き出されて、そこに吹いていた夏の風の感覚が魔法のようにそこにある。忘れていたものを導く力のさりげなさと強さ。

演者たちの独特の動きが、冒頭若干気になったのですが、終盤には逆にその動きに安定感を感じるようになって。

観終わった後しばらく、自分が透明な空気の中を泳いでいるような感覚にとらわれておりました。

*スパイラルムーン 「水になる郷」

核になる部分のイメージはしっかりと作られていたと思うのです。分岐点という概念や水・砂、その他現れるイメージは観ている側のストックするものと繋がっていく。ただ、つながりが膨らむための何かが足りないような気がするのです。

物語の世界と現実の表裏が観客を満たすためには、現実の部分のピースがかなり不足しているように思えて。だから一生に一度、掟破りをするような切迫感が、空回りをしているように思えてしまう。

正解を伝えないクイズ番組のようにも思えて。

秀逸なシーンも少なからずあったのですが、押されるにも引き寄せられるにも、舞台に示されるべきものが欠けているというか、観る側にゆだねられ過ぎているような気がしてなりませんでした。

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コメント


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「んっはう!!!んっは!!!」
んな声出して喘ぐ女始めてで軽くヒいたけど
B地区ピンクだし締まりキュッキュだし今までの女の中で一番最高だったわ!!!

それにどう見てもスゲエ値段の部屋泊まってたし
高級ぽいワイン飲みまくってたし色々金に物言わせてるなーって感じ(^^;
1発で20万貰えたし言う事ねーっす姉さん!!色々ゴチでした!!!!!!

投稿: はいぱわぁぁぁああ!!! | 2009/11/11 22:26

終盤ってなに?

投稿: BlogPetのr-rabi(ららびー) | 2009/11/14 14:10

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