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15minutes made 7thの広がり方

2009年11月14日マチネにて15minutes made 7thを観てきました。で、メモを兼ねてそれぞれの作品の感想などを・・・。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

前回のような、派手な舞台転換もなくゆったりと6作品を鑑賞できました。途中、ちょっとだけ機材トラブルがありましたが、スタッフの対応も冷静かつ適切で、上演に影響はなく・・・。

それぞれの劇団のエキスをたっぷり含んだ作品を堪能することができました。

・ゲキバカ「   」

観客が楽しめる身体表現の連続。映画やアニメを取り込んでいくのですが、小道具を使うことなく、あくまでも体を使っていくところに彼らの演劇へのこだわりのようなものを感じて・・・。

なんというか、笑いに贅肉やいやな脂がついていないというか、おいしく笑えるのがとてもよい。

最初は笑っているだけでしたが、そのうち囚人服姿の彼らが捕まるまでのループのようなものに取り込まれて・・・。その奥にある逃げられない感のようなものが、すっとみえて。

そのセンスに瞠目しました。

作・演出:ゲキバカ四天王

出演:石黒圭一郎・西川康太郎・鈴木ハルニ・渡辺毅

・こゆび侍「汝、石化することなかれ」

物語のプロットは1行か2行で語れるのでしょうけれど、そこに編み込まれていく想いがなんとも切なく美しい。メデューサがカジュアルに生活を送る上での微妙なおかしさが、そのまま彼らの心の影として観る側に戻ってきます。

役者の目の使い方がすごくしなかやで巧み。メデューサ夫婦の見つめないようにという気づかいや愛情にこもるかすかな恐れが観る側をしっかりと浸潤していく。ナチュラルなお芝居の質感とあいまって、舞台の世界にある種のリアリティが生まれ、それが舞台の深さになっていくのです。隣人の夫婦のメデューサ夫婦に対する距離感も絶妙な密度をもって繊細に演じられていて、なにげないシーンに透明感と深さを与えていきます。

ラストのシーン、新婚夫婦のような雰囲気に心地よい広がりが生まれて、ふたりの見つめ合う立ち姿にちょいときゅんとなりました。成島さんの物語の運び、うまいなあと思うのです。

やはり「こゆび侍」、只者ではありません。

作・演出:成島秀和

出演:廣瀬友美・加藤律・福島崇之・丹波紋子

・モエプロ「三日月とライオン」

ある意味、どきどきしました。少女雑誌のコミックを凄くリアルに見せられている感じ。「萌え」の感覚もすごいけれど、きちんとその空間が成り立つことがもっとすごい。

なんというか、いろんなものがそぎ落とされて、二人のピュアな部分だけがちゃんとそこにあるのです。ちょっと気の強いキャラクター設定は高橋留美子っぽい感じもするのですが、その相手を蹴る姿が不思議に自然に思えて。とても、良い意味で「何だこれ!」という感じ。ヒロインのキャラクターに惹かれているじじいの自分に驚いたり。まあ、タッチのみなみちゃんあたりから、刷り込まれたものがあるのかもしれませんが。

バナナ学園純情乙女組と逆ベクトルのデフォルメなのかなとも思ったりするのですが、いずれにしても作り手が持つぶれないものって武器になるのです。

端正な部分をもつ、実はまっとうなお芝居だったりもして、このクオリティがあるから成り立つことなのでしょうけれど・・・。

作・演出:佐古田康之

出演:小野瀬太一朗・栃木彩理

<intermission>

・国分寺大人倶楽部 「ストロベリー -SHORT VERSION-」

前回の本公演を観ていて、その時の感覚がぐわっと戻ってきました。なんというか、凄く体に悪そうなのだけれど食べたくないわけではないみたいな感覚。

アフタートークで主宰が内容を漏らすなとおっしゃっていたので(次回本公演のショートバージョンらしい)コンテンツは書きませんが、人間の根底にある、嫌悪感を持って惹きつけられるような感覚がモロに舞台から流れ込んでくる。R18っぽいところもあるのですが、それよりもっと深い部分のいやらしさと純粋さに目を奪われました。指の間から眺めたくなるとトークショーで話がありましたが、非常に的をついた表現かと。

私的には、たぶんかなりの勇気を持って、でも間違いなく次回本公演を見に行くと思います。

脚本・演出:河西裕介

出演:大竹沙絵子・望月綾乃・志水衿子・加藤岳史・河西裕介

・夜ふかしの会 「コント」

上質のコントでした。無駄な遊びがなく、ぐいぐいと観客を引っ張っていく。エッジがしっかりと立った演技に笑いがまっすぐにやってきて、どんどん膨らんでいく。

パフォーマンスとしては、笑いの基本に忠実なのだと思うのですよ。発想も取り立てて突飛なものではない。それでもしっかりと高品質の笑いを構築していけるというのは笑いの仕入れに圧倒的な間口の広さを持っているということでもあるとおもうのです。

マリオネタもしっかり出し、何よりも他劇団を借景にしたワンショットには爆笑してしまいました。こういう広がりがびしっと決まるところに、この集団の底知れぬ力を感じるのです。

笑いもここまでくると「粋」の範疇に思えて。

理屈抜きで本当に面白かったです。

構成・演出:岡田幸生・内田崇文 作:夜ふかしの会

出演:鬼頭真也・鈴木ちるど・三宅知明・砂川禎一郎・大重わたる・原慎一

・Mrs.fictions「私は旅に出ることにした」

すっと物語にはいってそのまま観客を引き込んでいきます。言葉がそのまま感覚として入ってくる。

こうなにかをふっと投げ出してしまうような感覚が、そのまま渡されたような感じで、観る側が無抵抗で受け入れてしまう。

そこから旅にでる感覚も、なんかわかる。山の手線のループ感も、温泉に行ってしまう感覚も全部が観る側の手のひらに乗せられていく。

そして、「ただいま」の感覚にちょっとほっとしたりして。なんだろ、この感じ。

ちょっと心が軽くなるのがすごく不思議で、魔法をかけられたような感じがしました。

こういう感覚、結構好きです。

作・構成・演出:生駒英徳 作:Mrs.fictions

出演:岡野康弘・夏見隆太・松本隆志・宮嶋みほい・萱怜子

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前述のとおり、アフタートークは高円寺大人倶楽部の河西さんでしたが、こちらもなかなか聞きごたえがありました。

15分だから見える世界ってたしかにあって、回を重ねていくのもわかる気がする。

一度、ベテラン劇団大会みたいなこともやりませんかねぇ。創立10周年か本公演10回以上の劇団限定みたいな・・・。

けっこうおもしろい気がするのですが。

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