劇団銀石「リチャード・イーター」安っぽくならない今っぽさ
2009年8月12日に劇団銀石第六回公演、「リチャード・イーター」を観ました。会場は池袋シアターグリーン、Big Tree Theater。
とてもわかりやすい「リチャードⅢ世」を観ることができました。
(ここからネタバレがあります。十分にご留意ください)
原案:W.シェークスピア
作・演出:佐野木雄太
リチャード3世の葛藤を、天使と悪魔のように切り分けて二人の役者で演じるところがこのお芝居の肝のひとつ。善人のリチャードとそのリチャードを食らうもの(イーター)としてのリチャードがひとつの人格の分離として描かれていきます。さらには狂言回しに戯曲にはない人物を配して・・・。
また、他の登場人物も戯画化されていて、今の感覚に寄り添うように演じられていく。これがあざとさがなくちゃんと機能していくのですよ。戯曲に100%忠実にということではなく、戯曲をうまく解きほどいて行く感じ。
正直言って、コンサバティブな演じ方がされた「リチャードⅢ世」の舞台がもつほどに登場人物たちの深い愛憎までは表現できていなかったように思いますが、それでも普遍的な人間の業のようなものは、しっかりと演じ上げられていました。そこには、今に通ずる苦悩のようなものがが浮かび上がっていて、軽薄・陳腐な印象を受けることもありませんでした。前述のリチャード3世を二面的に分離する手法もしっかりと機能していたし、書き加えられた狂言回し役である未来からの推理小説家と編集者が巧みに時代に閉じ込められて、戯曲のコンテンツを整理し物語のスピード感をつけてきます。物語はレース編みのごとく繊細に織り上げられ古色に染まった不要な重さや大仰さはほどよく削られていく。
戯画化されたような脇役たちの味付けも、常なる人の善良さやその奥に潜む愚かさのデフォルメとしてうまく観客を取り込んでいたとおもいます。歴史からの戯曲の歪曲を「なまり」にのせて表現していくやり方にも感心しました。しっかりと足音を立てる健常なる不具者の足音もとても効果的。
観たのが初日ということもあってか、終盤主人公が王の座をその手におさめてからの没落の部分がバランスとしてすこし淡白すぎるような印象はありましたが、そのあたりは公演が重なるうちにうまく落ち着くような感じもして。
役者は以下の通り
斉藤マッチュ・内山唯美・浅利ねこ・横田秀允
荒川ユリエル・安藤理樹・池亀三太・池田靖浩・石澤サトシ・石原麻美・宇佐見輝・加藤諒・北尾亘・小嶋美紗央・小太刀賢・佐藤友紀・すずき麻衣子・花戸祐介・星野満里奈・村山恭子・望月雅行・守山真利恵・矢鋪あい・矢野由布子
役者にもキレとメリハリがあって、物語の不要な重さを消して今のテイストに仕立て上げるやり方にも、古典のテイストはきちんと守っていました。単なるキレだけではなく、芯を残した演技ができていたと思います。
舞台装置や衣装も役者たちをしっかり生かしていたし、なによりも遊び心がここそこにちりばめられていて、観ていて理屈をこえておもしろいのです。
こういうお芝居、個人的には決して嫌いではありません。
上演時間は2時間20分とやや長め。でも、飽きることなく観ることができました。
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