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8月の思い出・・・、サンプル「家族の肖像」・G-up「ペガモ星人の襲来」などなど

9月に入ってバタバタして遅れに遅れてしまいましたが、8月に観て記録を残せなかった舞台などの鑑賞の記録をあれこれと・・・

8月の話ですから、公演はすでに終わったものばかりですが、そうは言ってもネタバレがまずいとお感じになることもあるかと思います。ご承知おきいただいた上で読み進んでいただいきますようお願いいたします。

・サンプル「家族の肖像」

個人的にはギリで取った夏休み、8月29日アトリエヘリコプターにてサンプル「家族の肖像」を観ました。結構荒れた天候だったのですが、五反田駅を降りた時には、まるで劇場に誘い込むように雨が小降りになっていて・・・。

こういうときには、良いものを観ることができる確率が高い・・・。

あたりでございました。

噂は聞いていたのですが、それでも劇場のある2Fに上がった時には驚きました。なんというか劇場の入口に舞台が見えていて、座席がみえない・・・。で、おまけにスタッフの方が舞台の中で手招きをしてくださっている・・・。、舞台に階段がついていてそこから2階の客席に上がるなんて想像もしていませんでした。

で、舞台が始まると最初はいろんな残像を見せられている感じ。感覚の記憶のようなものが唐突だったり具体的だったりしながら重ねられていく・・・。感覚の表現もバリエーションが豊かで・・・。極めて個人の時間のカナでゴロゴロしながら交わされるコミュニケーションがあったり、お店の従業員の夕礼で重ねられる表現であったり・・・。

登場人物たちのひとつずつの行為は、デフォルメされていたり、ピカソの絵を見るように表側の表情と内面で思う気持ちが同一の言葉として表現されたり・・・。

で、それらが不規則に観客の足元というか見下ろした先に積み重なっていくのですが、気がつけば当初違和感を感じた足の下に広がる空気のようなものが、しだいに当り前の時間にかわっていく。一人ずつのプライバシーを俯瞰するとそれぞれに特異なのに、全体の時間はけっこう平凡に流れていることについての微妙な違和感・・・。雑然ととり散らかった足もとの世界に満ちた、家族や社会生活に削れらた様々な澱のようなものが時間を追うごとに舞台からせりあがってきて・・・。

その感覚の絶妙な粘度がふっと自分の呼吸している空気に重なってどきっとしたりする・・・。

たまたま、外は雷雨。雨音や雷鳴が舞台を一層生々しくしたりというようなおまけもついて、その見ごたえにじわっと浸りきった事でした。

役者では、羽場美奈子の元教師役がまず目につきました。その実存感にやられました。西田麻耶の存在感にも目を奪われ、辻美奈子の語学教師の本音がレッスンと同じように語られる切れの良さに愕然として・・・。役者の演技の質がすごく高いからこそ、作りえた空気の濃密さに心を奪われたことでした。

その他、古舘寛治、成田亜佑美、岡部たかし、古谷隆太、野津あおい、、村上聡一、木引優子、中川鳶、江原大介が出演。

作・演出は松井周

客席の形状だけではなく、舞台のコンテンツの感触、いまでも肌にまとわりつくように残っています。秀作だと思います。

・G-up プロデュース 「ペガモ星人の襲来」

後藤ひろひと がPiperで活躍する前の戯曲を(遊気舎のころの作品)、関秀人が思いっきり豪華な役者で再演した作品。

役名に色々とでているのは、いわば物語の本筋からすこし離れた位置にいる役者さんたち。劇団で芝居をやっていたときに、出演者を増やすために作った役なのかもしれません。でも、後藤ひろひとの戯曲ってそういうところに妙に力を入れる傾向があって、しかもその部分をびっくりするような役者たちが演じるものだから、なにか突き抜けたようにおもしろい。柿丸美智恵、黒岩三佳、森下亮、岩倉チヒロ・・・、主役を張ってもおかしくない力をもった役者さん達が傍系の飾りのような部分をしっかりと演じている・・・。それは、名人が前座落語をやるみたいなもの・・・。でも、だからこそ、もう一味が芝居に加わっていくような。そのひとあじって芝居全体の印象にとって意外と大きいのです。

一方で物語の中心を歩く側も着々とポイントを重ねていく感じ。後藤ひろひと の脚本も、近年の彼のが創作しているものに比べると枝葉が若干少ない感じで、その分、役者がまっすぐな演技で勝負ができているような・・・。そして、その分役者の資質や個性がしっかりと出るような感じがしました。。役者ひとりずつの表現力が生きるような間口の深さが本にあるのです。

瀧川英次後藤飛鳥といったところが本当によいのですよ。役をしっかりと膨らませている・・・。久しぶりに観た有川マコトもさすがといった感じ。役者の力量分だけちゃんと物語が膨らんでいく・・・。後藤ひろひと の作品で感心することのひとつ、一見しょうもないねたに役者の力を引き出す魔法みたいな感じ。小椋あずき の演技を引き出したり森田祐吏をきちんと見せたり・・・。個人の力が重なり合ってどんどん世界が広がっていく。強い個性が集まっても、それぞれが力を出して、なおかつ重なり合わないような作りができていて・・・。なおかつふっと心を惹かれるようなペーソスと温かさが残っている・・・。

うまいなあと思うのです。

上記のほかにも、吉岡毅志、赤星昇一郎、森啓一郎、岩井秀人、大内厚雄、町田カナなど豪華な役者陣

それらの役者が気持ちよさそうに演じている物語の行く末、最後にまで仕掛けがあってたっぷり楽しませていただきました。

その他の書き残し・・・、クエストホールで見たイッセー尾形・篠原ともえ の二人芝居はアコーディオンやパーカッションの女性が加わって、一座で明るく軽演劇というかんじ。意図したチープさがどこか懐かしく、篠原ともえの歌が素敵に楽しくて・・・。ぬくもりと心地よいゆるさをもったエンターティメント。しかし、ひとつずつの要素が磨かれているから、全体の雰囲気を緩くしても、 観客の集中力をしっかりとひきつけたままバラけずに2時間を引っ張って行ってくれる。ある種癖になる雰囲気をもった公演でした。

その日はクエストホールから都内を駆け抜けて、米朝一門の若手が一同に会した獅子十六の会の夜の部も鑑賞。後半の4席を聴かせていただいて、上方落語のパワーにたっぷりとひたって・・・。でね、上方の大喜利が楽しいんですよ・・・。どこかぶっちゃけたところがあって、でも、決めるところは頑張ってきめているかんじで・・・。ロビーでの面会もないからと最後に写真まで撮らせてくれるサービスぶりにも大感動・・・。この会は継続してほしいですね・・・。そりゃ、円熟した名人上手の芸にも魅力を感じますが、若手の芸にはそういう枯れた芸にはない勢いがある・・・。旬というのはそういう時代なのだと思います

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