12月に言い残したこと、野鴨、未来ルルル コントローラー2P HARAJYUKU PERFORMANCE+ とスタバ福袋
明けましておめでとうございます。旧年中はRClub Annexをごひいきにいただきましてありがとうございました。つたない文章ではありますが、本年も感じたこと、いろいろ書かせていただきます。よろしければお付き合いくださいませ。
さて、新年早々、いきなり去年の話しというのもなんなのですが、去年の11月から12月にかけて、こちらに書かせていただいたほかにもいくつか印象深い芝居やパフォーマンスを観る機会がありましたので、ちょっとご紹介。今書いておかないとすぐに忘却のかなたに消えてしまいそうなので・・・。
・野鴨 (庭劇団ペニノ)
イプセンの作品を忠実に上演したといえばそれまでなのですが、あの密度、そして油絵のような鮮やかさには息を呑みました。明快な物語がそのまま観客につみあがってくる。役者の演技も感情の深さがしっかり取れているのにナチュラルな感じがあって・・・。シアター1010の稽古場を利用した空間が森に変わり、森が観客をつつみ、観客はその場の物語に取り込まれる・・・。しかも物語のひだが非常にくっきりと見える印象があり、その中での手塚とおるの豹変に説得力があり、悲劇がためらいなく提示されていく・・・。
タニノクロウの演出はある意味とても生真面目なのだと思います。狂気や戯曲の中にぼかされて存在しているようなニュアンスに対しても表現に躊躇がない。本来影になっている部分に対して他の部分と同じような光が当たっているというか・・・。
観ているほうも消耗するほどの強さがある、非常に印象が強い舞台でした。
・未来ルルルルルル (あひるなんちゃら)
相変わらずの駄弁芝居ではあったのですが、方向はともかくしっかりと筋通った部分があるので、その駄弁がとてもビビッドに感じる。いろんな発想の進展が織物を作っていく感じ・・・。過去から目覚めた組と未来人組の演技のペースが違うだけで、世界があれだけしっかりと広がっていくのです。
毎度思うのですが、ここのお芝居には麻薬みたいですごく癖になるなにかがあります。今回は、黒岩三佳さん一流の演技の切れがいつもほどたくさん観れなかったのがすこし残念だったけれど、その分他の役者陣の好演もあり、心地よい違和感はいつもと遜色なし。結果としてたっぷりとした満足感をもって王子小劇場の階段を上がることが出来ました。何に満足しているのか、自分でもよくわからなかったりはするのですけれどね・・・。なんか満たされている・・・。不思議です。
新宿村の公演は観にいけなかったけれど、次回も絶対見逃したくない劇団のひとつです。「あひるなんちゃらテイスト」、すごく表現しにくいのですが・・・・。ほんとにはまる。
・2Pコントローラー (北京蝶々)
大隈講堂裏の劇団本拠地でやったコントローラー自体が非常に緻密に作られた芝居でしたが、2Pコントローラーはそのスピンアウトのような感じ。ある意味アウェイだったし、制約もいろいろとあったのでしょうけれど、少なくともオリジナルを観た観客にとっては、見事にコントローラーの世界が受け継がれていました。作・演出の大塩氏は二つのお芝居を仕付け糸でほつれない様にしっかりと縫い合わせて・・・。で、縫い合わせても物語にゆがみがないしさらに物語の間口が広がっていて・・・。両方のコントローラーを観た観客にとっては、前回のコントローラーの世界観がいっそう明確になり、物語の幅がぐっと広がった感じがしました。
ただ、これは余計な心配なのかもしれませんが、果たして1P(?)コントローラーを観ずにこの作品をみた観客には物語の全貌がきちんと伝えられたのか・・。映像で前回公演の物語感を無理なくカバーはしているのですが、生ものと映像が同一の力を持っているわけではなく、ベースになる1Pのデリケートなニュアンスが映像だけで伝わっているかはかなり微妙で・・・。特に帯金ゆかりの前回のお芝居は、映像では伝わりきれないものをたくさん含んでいましたから・・・。まあ、私は両方見ていたので大満足ではありましたが・・・・。
・Harajyuku Performance Plus 12月23日ソワレ
いやぁ、あっという間の2時間でした。いろんなジャンルのパフォーマンスでしたが、ひとつずつの出し物に本当に魅力があって・・・。
一番の収穫といえば康本雅子さんのパフォーマンスを観れたこと。この人はすごい。艶があってやわらかい動きなのに底知れない切れを感じる。1月5日にNHKのトップランナーにもご出演だそうです。私が知らなかっただけでかなり有名な方なのでしょうね・・・。まあ、たかぎまゆさんのパフォーマンスを急な坂スタジオの駐車上で最初に見たときほどのビーンとくるような衝撃はなかったけれど、でも動きのやわらかさとふくよかさ、そして安定感には瞠目。観るものを巻き込むようななにかがしっかりとあって強く惹かれました。
ストロングマシン2号のもすごかった。抜群の安定感がありました。完成度が高いというか・・・。
開場時からすでに演奏が始まっていたASA-Changと宇治野宗輝の演奏にも観客を音に依存させてしまうような魔力とインパクトを感じたし・・・
ボクデス・五月女ケイ子さんも魅力的だった。すごく気持ちのよいウィットがあるのです。
あとcontact Gonzoには高い芸術性を感じました。ある種の法則と動作の継続に心のどこかを麻痺させるような魅力があり、同時に表現にしっかりとした意図を感じました。
伊藤千枝さんのところも創意がしっかりと感じられてよかったです。観ていて楽しいし・・・。
Off Nibrollの世界観というか雰囲気も決して嫌いじゃなかったし、男子はだまってなさいよの世界も基本的に好き。
山賀ざくろと泉太郎の世界観はゆっくりと伝わってそのまま居残る感じ。
こういう催しって、今まではお芝居に比べて縁がなかったけれど、今後はもっと見に行きたいですね。ヤング軒さん主催のパフォーマンスを観たときにも思ったのですが、只者ではないひとがただ事ではないパフォーマンスをやるというのはやっぱりすごいことで、観客の感性を揺り起こししっかりと研ぎ澄ましてくれるようなものが確実に内包されている。
べたな感想ですが実に楽しかった・・・。
去年はとても演劇鑑賞運に恵まれていたみたいで、良いお芝居もたくさん観ることができたし、新たに才気あふれる良い劇団やパフォーマーの方を観ることができたのですが、今年はどんなものに出会えるか・・・。とても楽しみです。
◎◎◎PS ちょっと余談◎◎◎
去年の暮れ、年賀状を印刷しているときにUSBメモリーの調子がよくなかったり黒インクがほとんど切れてしまったりしていたので、お正月の朝1番で近所のJUSCOに買いにいったら、入り口という入り口に信じられないような長蛇の列ができていて・・・。
しばらく並んで店舗にはいるとそこは福袋のてんこ盛り状態・・・。いやー、雰囲気に呑まれてスタバの福袋を衝動買いしてしまいました。で、家に帰って袋を開けたら、コーヒーとタンブラーのほかにこんなものがはいっていてちょっとびっくり
・CD (ラテン アメリカンヒート)
これって、おしゃれ。すごく渋いラテンなのですよ。コーヒーの香り、紫煙、ざわめき・・・。そこにこのCDの曲がかかっていたらとても幸せかも・・・。新年早々、隠れた名盤にめぐり合ったような気分になりました。
・くまのぬいぐるみ
それなりにでかい・・・。スターバックスおなじみのグリーンエプロンをきちんと着ている・・・。写真では見えないけれど一応JAPANの文字がエプロンに・・・。世界的に使われているスタバーのキャラクターなのですかねぇ・・・。この熊君は・・。
・スターバックコーヒーのカルタ
これは誰向きにつくられたのだろう・・・。なにせ「いっ杯に心こめます。グリーンエプロン」なんていうのがあったりして・・・。スタバーの従業員の新年会には受けるかもしれないけれど、一般家庭でこれを使って遊ぶことはちょっと難しいかも・・・。
まあ、絵はちょっとグリーンがかったトーンでいい感じなのですけれどね。
新年1番の買い物がこれということは、今年はいろいろとユニークなものにめぐり合えるということなのかも・・・。演技がいいといえば縁起が良いのかもしれません。
でもちょっとびっくり。
R-Club
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント