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空間ゼリー感謝祭は福袋のように・・・

11月17日、渋谷某所で開催された「空間ゼリー5周年感謝祭」を観てまいりました。

内容の詳細については半シークレットという場の雰囲気もありましたのでネタバレしませんが、非常に興味深い内容が詰まったイベントでした。演劇を観る側にとっては劇場外で為す側の姿を垣間見る、日頃あまりない体験がいっぱい。

ちょっぴりルーズな進行も楽しくて、坪田文さんに加えて総合司会の佐藤けいこさんや少しお酒の入った細田喜加さんといったところが要所をちゃんと締めていたので、だらだら感はまったくなく、観るものにはボリューム感がいっぱい。それぞれのコーナー司会の方々がしっかり場を仕切っているように感じたのは、あたりまえなのだけれど、発声がみんなしっかり出来ているからなのでしょうね・・・。佐藤さんの声など、聞いていてほれぼれしてしまいました。後半の細田さんなんてパーティらしく勢いもついていて、場の仕切りがとても流暢・・・・。見ていて気持ちがよかったです。冬月ちきさんの生真面目な感じにも好感が持てました

前半にはダンスパフォーマンスがあったり(performed by河野真衣・岡田あがさ嬢、柔らかさというかしなやかさをしっかりと持ったダンスでした。これに訴えるべき強い意図を加えたら、そのまま表現の武器へと昇華しそう・・・)、歌があったり(これがめっけもので、斉藤ナツ子嬢が歌にどっぷりと入り込んで彼女の世界を作り上げていました。流石女優のお仕事、観客まとめてすっと彼女の色にとりこまれてしまいました)ほんと、お世辞抜きに観ていて楽しかったです。

また、役者の方々とも少しずつお話しさせていただく機会をいただいたのですが、皆さん舞台で拝見するより華奢な感じで、しかも例外なく素も美しい方ぞろいで・・・・。でも、一方で、お話しをしたり「質問コーナー」などでの彼女たちを拝見しているなかで、彼女たちの演劇への「」のようなものを強く感じることが出来ました。空間ゼリーで「演じて」いくことに対する真摯さが彼女たちからしっかりと伝わってくるのです。単なる仲良しサークルではありえないベースの部分の強さというか・・・。しっかりプロしているというか・・・。端々に良い劇団の芝居を観にいくと必ず感じる役者たちの演じることへの「」の匂いがびしっと濃密にあって・・・。たとえば2年後の彼女たちって間違いなく今をさらに凌駕する恐るべき女優の集りに進化しているのだろうなと強く感じたことでした。

主宰であり作家の坪田さんとウニタモミイチさんのトークショーも非常に興味深かったです。坪田さんの作品が天から降ってきたように思いついたわけではなく、彼女の中で長い時間しっかりと熟成されたものだったこと、さらには彼女の演劇の原点になっているいくつかのエピソードなどを聴いて、私が観た彼女の作品の深さがフロックでなかったことをいまさならがらに感じたことでした。

あと、トークショーの内容から派生して思ったこと・・・。坪田さん、これから、一段とパワーが要求されるステージに入ってくのでしょうね。熟成と才気から生まれる作品たちは今後、劇団やいろんな媒体を介して間違いなく観客を魅了していくのでしょうけれど、そのことで彼女の資質が痩せることがあってはならないのだろうし・・・。とすれば、この先彼女は、何かを物語るのと同じ手と口で何かを求めたり摂取し続けなければならないのだと思います。具体的に説明するのは難しいのですが、たとえば、鴻上尚史氏の戯曲にある「才能とは夢を見続ける力のこと」という台詞がニュアンス的に近いかも。

彼女の物語を編み出す才能は、すでに余りあるほど機能をしているわけですから、その才能が思う存分になにかを生み出すために、どれだけ貪欲に栄養のあるものを掴んで、食べて、自らの資質に出来るだけたくさんの肉をつけていくかが彼女にとって長期的な見地からの勝負どころなのだろうなと・・・。その食べっぷりというか摂取の質と量が、今後の坪田さんの仕事のボリュームやクオリティを決める上で大きな要素になるのだろうなと感じました。

まあ、彼女の言葉を聴いていると、自らの資質をふくらませることを坪田さんは楽しみこそすれ苦痛には感じていないようなので、観客としては変わることなく彼女から供される料理に舌鼓を打ち続けることができる安心感を感じてはいるのですが・・・。

最後に一旦(?)演劇活動を休止する下山夏子さんのメモリアル映像の公開と彼女の今後についての紹介があって・・・。、私が観た彼女の舞台(2本)どちらとも、きっと彼女にしか演じられないなにかが舞台をしっかり支えていたので、観客的には超もったいない感じがするのですけれどね・・・。、でも、もしある日彼女が演ずることに戻ってくるのなら、その時には普通の役者さんが決して得ることのできない時間を彼女は手にしていることになるはずで・・・。彼女の挨拶を伺っていると彼女は「志」を内にしまったのであってなくしたわけではないようだし・・・。彼女にはある意味申し訳ないのですが、観客にはいつかその志を縛っている鎖が解ける時が楽しみだったり・・・。

帰りがけに岡田あがささんの12月10日の一人芝居「ワタシガタリのチケットを購入。彼女の一人芝居という企画にはとても興味を惹かれました。きっと個々の才能がきちんと現出する環境がこの劇団にはあるのでしょうね・・・。会社の帰りに王子に寄って・・・。師走の楽しみがひとつ増えました。

最初、階段を5階まで上がったときには新手のいじめかとも思いましたが(考えてみるとこの数年、3階分以上の階段をあがったことがなかったような・・・)、帰りはとても満たされた気持ちで同じ階段を下りていたことでした・・・。

とても幸せな土曜日でしたよ。

R-Club

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