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ドリームガールズをバルト9で

私事で恐縮ですがインフルエンザにかかってしまいました。

2月にはいって、なにか体調がいまいちで気にはなっていたのですが、そのうち明らかに熱っぽくなってきて、仕事がおわってすぐその足で行きつけの内科医へ・・。

鼻の粘膜をこしょこしょっとやられて、10分でインフルエンザが確定。で、間に合ってよかったと「タミフル」を処方されました。効きましたよ・・・、「タミフル」。お医者さん到着時に39度近くあった熱が4時間で36度台にまで一気に下がりましたから。おかげで、楽しみにしていた「ドリームガールズ」の試写会に行くことができました。

「ドリームガールズ」は、私にとっては特別な作品です。なにせ、私が最初にブロードウェイで見たミュージカルですから。当時、物語は30%くらいしかわからなかったけれど、まあ、アイドル振りのさらに元祖ですから。しかも、黒人女性のど迫力ボーカルを生で効いたことなどなかったので、一発で惹かれたのを覚えています。魅入られたというほうが正しいかもしれない・・・。「One Night Only」の切ないR&B風のボーカルが一転してクラブ風のボーカルに代わってリプライズされるときの迫力にも震えが来ましたものね・・・。

映画になると聴いたときに、あのミュージカルが持っていた一種の濃密感のようなものがでるのだろかと思ったのですが・・。

実際に見ると映画もすごく良い出来だったと思います。舞台が映画になった段階で広がった世界を、ジェニファー・ハドソンやビヨンセのボーカルがしっかりと補った感じ。元々が舞台の音楽をそのまま使っているので、カット割りが早いと感じる部分や、物語の飛び方がちょっとせかされているような部分もあるけれど、でもそれを補って余りある内容がこの映画にはあります。テンポのよさとここ一番の歌をしっかり聴かせる構成は(舞台でのミュージカルそのものなのだけれど)観るものをまったく飽きさせないのです。エディー・マーフィが歌えるなんて知らなかったけれど、彼のR&Bはそれだけで十分映画の観客に元を取らせるクオリティがある。最初の敵役、ステップシスターズもそう、彼女たちは彼女たちなりにちゃんと聴かせるのです。

ストーリーが佳境に入ってからの、脇役の一人(ドリームガールズ創立メンバー役のAnika Nona Roseの短いボーカルも、目立たないけれどしっかりと観客の心に入り込む何かを持っているし、ましてやジェニファーハドソンのボーカルはもう圧巻の一言、相手はスクリーンの中なのにがっちりと心をつかまれます。

これだけの土台に乗ってビヨンセも負けてはいない。彼女の美の変化のすごいこと・・・。最初の田舎のかわいこちゃんから頂点に上り詰めるまでの変化は、ここまで歌ってそれでもまだ声を残していると感心させられるジェニファーハドソンのボーカルにも似て、突き抜けた何かをしっかりと持っている。Jamie Foxxもある意味敵役をしっかりと演じていましたしね。

普通、2時間10分の映画を観ると結構疲れるじゃないですか。でもこの映画は、観終わってもう一度みたいとすぐに思わせるだけの魅力に満ち溢れているのです。きっといろんな角度から見所がてんこ盛りだからでしょうね・・・。

試写会で無料で見せていただいたから言うわけではないけれど、この映画、超お勧めです。

ところで、今日の試写会場はバンズ9という明日オープンのシネコンでした。新宿のど真ん中にできた都市型のシネコンとして結構注目を集めているみたいです・・・。

で、オープン前日に利用した感想は・・・。まず思ったほど派手ではないというのが第一印象。新しい施設という感じすらしなかった。でも、妙に居心地がよいのですよ・・・。混雑していなかったというのもあるのでしょうけれど、なんか落ち着くというか・・・。映画のスクリーンとか音とかは普通に見やすかったし、スタッフもしっかりと訓練されている感じで気持ちよかったし。

で、帰り道にふっと気がついたのですが、飲み物を買うときにも映画を観ているときにも帰る時にも、すごく自分がリラックスしていたと思うのです。

シートも決して広くはないのですが、長時間で全然疲れなかったし、飲み物とフードを入れてくれるトレイも観るものをすごく楽にしていたと思う。枝豆ナゲットも何気に充実感があってしかもさっぱりしていたし

新宿駅について電車に乗ってから、ゆっくりと新しいシネコンの実力に感心してしまったことでした。

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