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やなわらばーの透明感

たまたま、立ち寄った新橋烏森口で、「やなわらばー」の路上ライブを聴くことができました。

本当に偶然だったのですけれどね。

「やなわらばー」ってなれなれしく書いてますけれど、実は私も初見で、テレビの主題歌を歌われるほどのふたりなのに正直お名前も知らなかった。でも、彼女たちのその歌声は、ちょっと雑っぽい新橋の街を一瞬半透明の幕で覆うような力があって、思わず立ちすくんで聞いてしまいました。競輪の場外車券売り場の前、でも、そのあたりのごみごみした感じを一気に払拭するような力が彼女たちの歌にはありました。

本当にまっすぐに入ってくるのですよ。なにか魔法がかかっているのではと思うくらい。三線の音が心をゆっくりと解きほぐしてそこに二人のしっかりと研ぎ澄まされたボーカルが浸透していきます。

新橋の路上ライブですから、世間でいうおじさんが圧倒的に多いのですが、彼女たちの歌声はそのおじさんたちの風景から分離することなく、まっすぐにおじさんたちを包み込んでいきますまるで汚いごつごつ岩を洗い流していく清流のように機関車ひろばに伝わっていきます。

役者などでも物語を一気につかむ才にめぐまれていらしゃる方っていらっしゃいますよね・・・。空気をいっきにつかむような役者さん・・・。なんかそれと同じようなかおりが彼女たちの歌にはあって・・。

用事があっても、心がせいていても、あの歌声にはつい立ち止まってしまう。遠い南の海風がふっとほほに触れた気がする。

彼女たちも当然にマイクを使っているし、その音はスピーカーを通してなのですが、でも生の演奏の力ってやっぱりテレビやラジオからの音楽とは違うのですよ。生の演劇でも歌でも多分同じ。表現する生身の人間は、そこに彼自身のかおりに満ちた空間を作り上げるのです。どんなに解像度を上げても、やっぱり目の前の風景

思い高ぶらず自然に思いを伝えるような歌詞にも心を惹かれて・・・、そう、いそがず一曲ずつ満たされていく感じ。

何年かするうちに、2007年の新橋駅前広場は、ちょっとした伝説になるのかもしれません

R-Club

シングルCDを買わせていただくとき風邪予防のマスクをはずし忘れて・・。ちょっとはずかしく言い訳をしたけれど・・・。買ってよかったです。=CD。ここのところ毎日、家に帰ると聴いています

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