劇団鹿殺しの才は十分
突然ですが、いろんなものにめぐり合える日ってあるもので・・・
なんというか、毎日歩いている犬も
大過なく人生をやり過ごせる日と
やたら棒に当たる日がきっとあるのだと思うのですよ
9日の金曜日は私にとってはいろんなものにめぐり合った日というか・・・
いつもHMVでJAZZの新譜をあさっている私にとって
たまたま立ち寄った新宿南口の「Tower Record」の
お勧めCDがめちゃくちゃ新鮮だったり
その日、たまたまライブをやっていた
パーカッショニストのGOMAさんのライブも
すごくよくて、
リフレッシュさせてもらえたり・・・
でも、極めつけはそのあと南口広場でみた
劇団鹿殺しの見にパフォーマンスでした。
この劇団、けっこう気になっていたのですよ。
前回の公演(サロメ)についても
演劇のページでは、それなりに賛否が分かれていて・・
実は賛否が分かれる劇団って刺激的な舞台を見れることが多いじゃないですか
「ポツドール」しかり「チェルフィッチュ」しかり・・・
私は実際の公演を観ることはできなかったのですが、
洗いざらしのTシャツにちょっとゆがんでミニチュアの王冠をつけた
ほとんど女性の写真だけのフライヤーは、
たくさん配られた他のチラシからでもしっかりと何かを訴えかけているようで・・・
シンプルなデザインなのだけれど他のチラシたちとは何かが違う
ある種のセンスがあって・・・
しかも裏にはほぼ半面をつかった3Dバーコード、
で劇団名を見ると「鹿殺し」ですから・・・
それは記憶に残ります。
ラテン系のジャズCDをいくつか試聴したあと
ちょっと良い気分で
Tower Recordのビルを出てふっと広場をみると
劇団鹿殺しののぼりが見えて・・・
人だかりができていて・・・
近づいてみるとちょうど開始時刻だったようで、
10分ほどのパフォーマンスを見ることができました。
まず、思ったのが、役者の動きに本当にきれがあること
階段から降りてくる役者の立ち居振る舞い
「ライオンキング」のパロディ(?)にしても
役者たちが実にしっかりと動いているから
原作と異なるというか、ある種原作をのりこえた何かを観客にのこしてくれます
彼らのオリジナルといわれる曲(着メロあり)にしても
曲的には多少??であっても、弱めのギャグであっても
後ろの役者たちがの動きがしっかりとしていて
単に切れがよいだけにとどまらず小さな動作が導き出す豊かさのようなものがあり
さらに動きのなかに何かを込めるところまでできているので
思わずひきつけられてしまいます
年齢的にも比較的若いからできることもあるのだろうでしょうけれど
それだけではない表現の円熟がしっかりと存在している・・・
動きにコンテンツがしっかりとあるというか
細かい部分までまで手を抜かずにできているというか・・・
発声や歌唱力にしてもきちんとしたレベルにあるし
一人一人だけではなく
集団としての動きに統一したニュアンスが込められているので
10分という時間の最後には
たくさんのものを見せてもらった満足感と
もっと観たいという飢餓感を
同時にもらうことができました
その場で売っていたDVDを購入したのですが
私にはとても面白かったです
突き抜けたようなものはないのですが
途中、全体のトーンに変化はあっても、舞台上のぶれはなくて
物語をしっかりと構築していく感じ・・・
さわりだけちょっと観ようと思っていたのに
結局最後まで一気にみてしまいましたから・・・
こういう言い方もなんなのですが
ここは、ある意味、何でもできる劇団だと思うのですよ
たった10分間のパフォーマンスに
あれだけのクオリティを詰め込むことができる集団なのですから
もちろん芝居にしても、ライブにしても
意図があれば、それを具現化する力は間違いなくあると
感じました
となれば、あとは座長の葉月チョビさんがなにを想い
何を表現しようとするかなのでしょうね・・・
今後大きく表現の幅やクオリディを広げていく力には
もう十分恵まれているのですから
あとは彼女の意図次第という段階まできているわけで・・・
DVDを買うときに少しだけお話をしていただきましたが
非常に柔らかで上品な雰囲気をも持った彼女が
この才能たちで表現しようとするものを
次にチャンスがあれば
是非見てみたい気がします
チケットは取りにくいようですが
なんとか機械を見つけて・・・。
こういう棒にぶつかるとわくわくしますよね・・・
なんかとてもよいものにめぐり合った気がします
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