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双数姉妹の底力

最初から愚痴ですが、バージョンアップ(V9→V10)した
ホームページビルダーの調子がとても悪くて
本館のページ更新ができなくなってしまっています。
やっぱりV9に戻すしかないですかねぇ・・・
困ったものだ。
シマンテックのセキュリティツールとの相性の問題もあるのかな・・・とか
いろいろと考えてはいるのですが・・・

というわけで、本館に感想のアップが遅れてしまっているのですが
12月3日に見た双数姉妹の「君はヲロチ」というお芝居はなかなかのものでした。
現代と中世の二つをつなぐ場所、新宿十二社にまつわる物語なのですが
まったく異なる二つの芝居を黒子が繋いで、さらに繋いで・・・
現代劇には双数姉妹が得意とするような、
ソリッドでなおかつどこかに繊細な機微の隠れた
男女の物語が浮かび上がり
一方の中世の物語は、物語を伝えるという演技が
実にしっかりとなされます

入れ子のようにふたつの世界が舞台にあらわれて・・・

しかもここからが双数姉妹の演劇というか
通常の芝居空間からの次元分割というか・・
黒子が登場することによって、
観客は演劇空間の外側におかれて舞台上の芝居を傍観していることを
明確に意識せざるをえず(黒子が通常の舞台と逆に利用されている・・・)
よって二つの物語が観客の中で互いに干渉されることなく立ち上がるという
状況が作り出されるわけです

このやり方に違和感を持つか
斬新な手法と見るか
はたまた昔からの手法の焼き直しだと覚めてしまうかは
多分意見が分かれるところなのでしょうし
現実に私も最初の数十分、シーンの細切れには
当惑感があったのも事実なのですが
両方の芝居空間とも、観客をしっかりつかむだけの力量があって
それぞれの役者の演技が蓄積されていくと
この仕組みというか舞台にこれまでになかったような
興味、あるいは一種の求心力がしっかりと姿をあらわして
観客を包み込んでいくのです。
それはもう、魔法のよう・・・
そして、終盤、黒子が彼ら自身のプチ物語を衣装に舞台に溶け込んでしまうとき
二つの物語はもはや一つのもっと大きな世界として存在し
そこには中世と現代を貫く物語の柱のようなものが生まれ
その外側にいる観客までも同一空間における一体感の中に
取り込まれてしまいます。

それは、「やや無情・・・」という芝居の中でこの劇団が提示した
演劇空間における舞台と観客の関係の別の形での提示にも思えて・・・
でも、演劇の概念の提示といった小難しいチャレンジとはべつものの
やわらかく力強い感動がゆっくりと観客に舞い降りてきて
その感触に演劇論なんてどうでもよくなってしまう
これって結構凄いことだと思います

もちろん、これだけのチャレンジができる小池竹見の才能には
頭が下がるのですが
やっぱり、双数姉妹の舞台に上がる役者には力があるのだと思います
だから、彼のチャレンジがちゃんと舞台に形として構築できるのでしょうね

今回一番よい意味でびっくりしたのは五味さんの演技で
これまでのもやっとした部分が吹っ切れてしっかりと輪郭のある演技に
目をみはりました。なにかあったのかと思うほど・・・。悪魔に魂を
売ってしまったのかと見まがうような・・・

大倉さんの凛とした演技も見ていて心地よかった。特に時代劇の方・・・
目立たないのだけれど、彼女の演技って芝居のランクをあげるような
気品というか、プチ包容力というか、そんなものがありますよね。

井上さんや小林さんの芝居にも観客の視点をリラックスさせるような
安定感があって・・・。
総じて見ても
これまでの双数姉妹だと
今林さんが頭ひとつ抜けていたような印象の演技のクオリティが
全体に峰がつづくような感じに変わっていました

客演陣も充実していましたが、やっぱり帯金さんには
ちょっと末恐ろしいすごさを感じます。
観客は役者を見るとき、演技をしている役者からなにかを推測して
結果何かを伝えられるというような作業を無意識にやっている気がするのですが
彼女の場合、そういう作業を超越して直接観客の心を射るような力があって
演技を見ていると理詰めで表現できないような感覚がしっかりと伝わってくるのです
それはゆがみのないまっすぐな感情の伝達に思えて
おもわず息を詰めてしまうほど・・・
なんというか何度もいうけど末恐ろしい限りです

まあ、お好みにあうやいなやというようなこともあるので
ぜひぜひとはいわないですが
見て決してご損がいくようなお芝居でないことは確か・・・

お勧めの一本でございます・

R-Club


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