姫が愛したダニ小僧
暑さのせいというわけでもないのでしょうが・・・
自宅のパソコンの調子がちょっと悪くなってびっくり・・・
急に操作の速度が遅くなってしまって・・・
どうやらWindowsのはいっているドライブにデータを詰め込みすぎて
システムのパフォーマンスが悪くなったのが原因だったようなのですが、
気が付くまでに一週間ちかくかかって
その間は、それはもうブルーな毎日でした。
知り合いに対処方法を聞いてとりあえず無事復元はしましたが、
なんだか、機械に対して全幅の信頼を置くことの恐ろしさを
そこはかとなく感じたことでした
とそんなわけで、しばらくこちらの更新ができなかったのですが
その間に後藤ひろひと作・演出の「姫が愛したダニ小僧」を
観てきました。
いきなり余談ですが、
楽日でナンバーズCMにご出演の女優Tさんがご来場で
階段で私の前を歩いていらっしゃいました。
聴くともなしに一緒に来られた方との会話が聞こえてきたのですが
艶のある本当に美しい声で
やっぱりプロの女優はすごいのねと妙に関心をしたり・・・
芝居自体はすごくよかった(本当にそれが一番適切な表現だと思う)
のですが、いろんなことを考えさせられる舞台でもありました
その前にプロデューサーズを見たのですが、
あのなかにもけっこうひどいというか、冷静に考えるとまゆをしかめるような話が
たくさん出てきますよね。
老人を騙して小切手を奪おうとか
そもそも最低のミュージカルを作って制作費の一部を分捕ろうなんて
まさに犯罪のようなお話なのですが
でもそこには現実のみごとなデフォルメが潜んでいたり
様々な立場の人たちの本音の部分が織り込まれていたりして
それが最高のスタッフによって舞台上に具現化すると
芸術にも昇華していくような物語になる・・
良識や常識と笑いというのはコインの表と裏のようなもので・・・
で、「姫を愛したダニ小僧」も
基本的にはプロデューサーと同じ手法だとおもうのです
ただストーリーだけを素に書いていくなら
本当にくだらない夢物語みたいな話なのですが
あれだけのスタッフと後藤ひろひとの卓抜なアイデアは
そこに猥雑だけれどある種の透明感のある物語を
現出させ、さらにそこを通してひとりの男の命を救う話にまでも
昇華させていった。
富田靖子演じるお姫様の純粋さとそれに使える家来達、
さらにはそこに巻き込まれる若い夫婦までもが
同じ価値観にやがて染められて動きだす物語に
やがて観客までがとりこまれていく
で、その物語のさきにあるのが「当たり」なわけですよ・・・・
ネタばれするので詳しくは書きませんが
「当たり」は流そうと思えば簡単にながせるにもかかわらず
いろんなことを私に考えさせてしまう
ひとつの物語の終わりが当たりによって終わりでなくなってしまう
素敵さと理不尽さのようなものが
ちょっと透明感のあるさびしさとよろこびとともに
やってくる
笑いましたけれどね、あのピピピって音が当たりの前触れだとわかったときには
そんなあほなって感じで・・・
でも笑った後にくるある種の感情がまるで小さな生き物のように
私の心の中に忍び込んできて妙に存在を私にアピールし続けるのです
私の中でやっとすやすや寝息を立て始めてはいるのですが
芝居を観てから1週間、なんとなく気をとられるような感じが
まだ残っている・・・
まあ、佐藤康江さんののびのびした
観ている方が気持ちよくなるような演技と
松永玲子さんがお客をいじって
お尻をお客さんに乗せたシーンも残っていますけれどね・・
考えてみれば
ウマがでてくる後藤ひろひと作品ってどうもそういう傾向があるような・・・
「ダブリンの鐘つきかび人間」の時にも
最後のきめの部分がしばらく印象から離れませんでした
あのウマにはなにか魔力が潜んでいるのでしょうか
(今回のウマの演技にはとても感心したのですがそれはともかく
後藤ひろひとも食べ過ぎには注意しろということでしょうか・・・(笑)
夏はいろいろと不思議なものを運んできてくれるものなのかもしれません
R-Clubに姫ダニの感想の記事がありますので
よろしければそちらもどうぞ
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