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桃唄309に感動(ブラジャーにみる誠実さ)

本題に入る前に、知らないことは恐ろしいという話。
(落語でいう枕?)

NYにいったときに、カーネギーホールって
どうしても中に入ってみたかったのですよ。
Stern Auditoriumっていう大きな方のホール、
小さい方は一度入ったことがあったのですが、
大きなホールの音響ってじつはすごいという話を
ある本で読んだもので、是非体験してみたかったのです。

で、6月の末のスケジュールを見ると
JVCジャズフェスティバルというやつの
最終日が6月25日にありまして・・・
「Salsa Meets Jazz」というコンサートがある。
Cafe Loungeというラテン系ジャズのCDが
結構気に入っていた私は日本から予約をして聴きに行ったわけです。
最近は便利になりましてね、日本からでもカーネギーホールのチケットが
わずか5分ほどで予約できてしまう・・・。
カーネギーホールの窓口でチケットをピックアップするのですが
窓口のお兄ちゃんもすごく感じがよくてなんかそれだけで
よいものを観れる予感がしてはいたのです。

で、実際のコンサートはというと・・・
これが本当にすごかった。
トランペットの音は、カーネギーホールの石造りの壁に包まれ
ものすごく透明な刺激として客席にやってきます
音がきらめくという意味が実感としてわかりました。
ラテンのリズムって頭で感じるというよりは
肌にしみていくんですね・・・

なかでもすごかったのが
Eddie Palmieri Y La PerfectaⅡ
Eddieさんは白髭、白髪のおじさんなのですが
彼が親しげに客席に語りかけると
客席は大盛り上がりになるのです。
で、彼が足でリズムを取って演奏が始まると
いきなり世界が変わる・・・
聴こうとしなくてもリズムとラテン系のメロディが
私をステージのなかに運んでしまう感じ・・・
音に酔っているというのを実感として感じられる・・・

で、あれはすごかったねぇ・・・とか言いながら日本に帰ってきて
彼のことを調べてみたら、すごい人だったのですね、Eddieさん
日本でも普通にCDが買えて(HMVなどで)、いくつか試してみたら
それもびっくりするくらいよかった
Listen Hereという彼の50周年記念の最新作など超おすすめです

まあ、知らないということは恐ろしいというか
聴いたときにあんな気軽にこのおっちゃんなどと思っていたのは
場内でも私だけだったのかと思うと
ちょっと赤面ものでした

で、本題にはいりますが、
知らなかったといえば
昨日見た「桃唄309」も私にとっては初見だったのですが
これだけの力がある劇団をしらなかったというのは
別な意味で、演劇好きを自称している私にとっては赤面ものでした

ひとりひとりの役者さんが特別目立つというわけではないのですが
トータルとして作り上げていく力がすごい
しかも単純に精度を高めて感動を呼び起こすというよりは
ゆったりとした自然体の演技のなかで、全体で包み込むような感動を
観客にもたらす感じ・・・
ありそうでほかにあまり例をみないメソッドだし
シーンの重さや構成のバランスがある意味難しいと思うのですが
心地よく広がる多重空間の中で
自然体に、そんなに難しく考えるひつなどないよといわんばかりに
新しい物ややり方を創造するよろこびや、ひとつの技術などが終わっていく悲しみを
しっかりと表現してしていきます
でも、一方でなんかひたむきに演じる役者さんが多くて
かれらの小さな努力や工夫の積み重ねが
裏で舞台をしっかりと支えているのが伝わってくる

薄く焼かれた陶器も美しいけれど
信楽焼だから語れることもある・・・
なんかそんなことをふっと考えてしまった

最後、人間が演じる機械の本体と部品が(生き別れになった後再びであって)
一緒に働くシーンがあり、けっこううるっときたのですが
それって役者がしっかりと機械と部品を実直に演じつづけたおかげですものね
なんかそういう演じ続けることによって培われたような力が
この劇団の芝居のあちこちに散らばっている感じがするのです
公演は12日までだそうですが、もし、都合があうのであれば
超お勧め公演です

私にとっても
次回も見に行きたい劇団がまたひとつ増えてしまいました

R-Clubに感想を掲載しましたので
よろしければご覧下さい


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