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家は壁と屋根だけにあらず(脇を固める力量)

双数姉妹の「ラバトリアル」を見て
今林/野口といったチラシにも写真が掲載されている方の
演技力には舌をまきましたが
この劇団を見に行くとそれだけでなく
全体としての底力のようなものにも
本当に舌をぐるぐる巻くことになります
役者を本当に育てますものね・・・、この劇団。
吉田さんの芝居が回を追うごとによくなっていくのが見えますから。
帯金さんも、もし継続して双数姉妹に客演することになれば
さぞやよい女優になっていくのだろうなと思います。

ただ、新しい役者がよくなっていくだけではないのですよ、この劇団は・・・
ベテラン達の仕事振りにも、そりゃ捨てがたい魅力があります。
しかも、ベテランも間違いなく進化している。
10が20になるのと40が50になるのでは
変化の比率が違うので、目立たないけれど
良い役者というのは歩みを止めないのだと思います
今回の双数姉妹公演でみれば、大倉マヤさんあたりの役回り・・・
決して大きな役ではないし、すごく目立つという話でもないのですが
でも、小さい一言や態度、さらに表情がしっかりと舞台の雰囲気を
キープしている
声を張るタイプの役者さんではないのですが、
相手役の演技をしっかり受け止めて
しかも返す力をコントロールしている・・・
だから、彼女が舞台に存在していると
全体の雰囲気に立体感がでるというかピントがしっかりするような気が
するのです
こういう役者さんがごろごrいる劇団は、そりゃ強いと思います

直近で見たお芝居ということで
キャンディーズ(G2プロデュース)でいくと
新谷真弓さんあたりがしっかりと舞台の一角をつくっていましたね
役柄上は狂言回しの助手みたいな感じなのですが
なんていうか舞台に血を通わせていたというか・・・
彼女をナイロン100℃で最初に見たときには
カクカクした動きをする役者さんだったという印象があるのですが
今の彼女を見ると当時と同一人物とはとても思えない・・・
軽さを支えることは昔からうまかったのですが
Keramapの「暗い冒険」に出た頃から
重さをしっかり支えられる女優さんになっていました。
今回の舞台の彼女は本当にゆとりがあって・・・、
そのゆとりが本多劇場の間口をぎりぎりまで利用した舞台全体に
ある種のぬくもりのようなものを与えていたと思います

芝居を見にいくと、「ラバトリアル」ならば今林さんとか野口さんの芝居、
「キャンディーズ」だと久保酎吉さんや山西惇さん、長谷川朝晴さんあたりに目が行き
須藤理彩さんの好演が次に来て・・・
しばらくすると大倉さんや新谷さんの芝居がじわっと効いていることに気が付く

芝居の記憶というのは
もちろん見た後どんどんあいまいになっていくのですが
その中で時間に耐えて記憶に残る芝居というのは
屋根や外壁の強さだけではなく
隠れた柱までのクオリティが問われるのだと思います

まあ、先週末のお芝居は
そのクオリディまでが十分満たされた内容だったので
たっぷり満足したのですが
それ以上の何かがまるで肉汁のように溢れてくる芝居で・・・

柱として壁をささえる役者の力ってやはり大切なのだと思います

R-Club

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