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やわらかい脚立(絶対王様)のお話をもうすこし

唐突ですが・・・・
映画や演劇を見ることとテレビをみることの一番の違いは
見ることへの強い意志が存在するかどうかだとおもうのですよ。

そりゃ、このドラマは絶対見るぞみたいなお話ってあるだろうし
最近はほっといてテレビを見るという感じでもないので
(昔のように一家の中心にテレビがあったような時代でもないので)
テレビだって意思がないと見ることができないぞみたいな
お話もあるのでしょうが、
映画や芝居を見るためにはお金も払うし自分の足で出かけなければ
いけない
これはもうテレビとは違います

で、映画と芝居なのですが、
映画の方がなんとなくお気楽な感じですね
国会議員が酔っ払っていたいけな女性を襲うような
丑三つ時なら別ですが、
少なくともお昼時なら映画館で映画をみることはいつでもできるわけで
映画館の窓口へいけば
(ゆとりがあればチケットショップなどで安いチケットを買うのがもっと
お勧めですが、)
とりあえず自分の見たいものを見ることができる

芝居はその点格段に面倒くさい。
何せ芝居を見たくても、公演日は決まっているし一日1回しかやらないし・・
(マチネまである日はそんなにないし)
で、他人と競争してチケットを取ったりすることさえある・・・
そこまでして見たいという強い意志がなければ
人は劇場に足を運ばないわけで・・・

で、昨日「絶対王様」を見に行った動機なのですが・・・
大上段に振りかぶった割には意外と単純で
bird’s eye viewを見に行ったときに
有川マコトが印象に残って、彼の舞台を見に行きたいって
思ったわけですよ
Nuの彼には一種腹の座った部分と繊細な部分が共存していて
興味を惹かれたのです
元々「絶対王様」という劇団名はよく知っていたのですが
なんというか是非見に行きたいっておもったことが
これまでなかった
チラシとかもよく見ていたのですけれどね・・・
チラシ自体が私の琴線に触れなかったというか・・・
正直なところもし、Nuで有川氏の演技をみることがなければ
一生見に行くことがなかった劇団かもしれませんね・・・
そう、思い出した。「絶対王様」という劇団名を聞いたとき
なんかすごくひとりよがりな芝居をやる劇団という
間違った印象をもってしまったのですよ・・・
とんでもない誤解だったのですが、
そういうあとで考えるとなんでやねんみたいな話が
けっこう人間の見識を狭めたりするもので・・・
芝居を見に行くというかお気に入りの劇団にめぐり合うというのは
結構僥倖の部類にはいることだったりします

さて、出会うまでの紆余曲折はあったものの
「絶対王様」の公演は有川の演技を楽しむ以上に
いろんなことを考えさせてくれる舞台でした
もちろん有川の演技は非常によいできで
ラスト前のモノローグっぽい部分
菜葉菜が消えた後の時間など思わず息をつめて見てしまったほど
でも、有川のよさって今回公演のなかでは一部に過ぎない
有川のよさがきちんと収まるキャパを持った芝居でありました
暗転が多いと前説でいってましたけれど
暗転のひとつずつが舞台の流れを削ぐことなく
逆に舞台全体を膨らましていたり
チャイコフスキーの音楽がどのシーンにもしっかりマッチしていたり・・・
流せば当たり前のすごさというか、実は結構すごいことを
さりげなくやっているというか・・・
気負いのないウィットがしっかりとちりばめられていて
しかも物語から離反していないことのすごさ
物語自体もそれなりに奇抜なのですが
奇抜さがちっとも邪魔にならない

なんとなく見ていてもふらっと物語に引き込まれるような
魅力がこの劇団の舞台にはあります

終わってみれば、良い劇団にめぐり合ったなというのが
正直な感想
今回の作品を見ている限り発想の飛び方のバランスが実に秀逸な作品
だったようなきがするし。
少なくとも私好みであったことは間違いのないところでね・・・。

考えてみると元は「双数姉妹」からかも・・・
双数姉妹からたとえば桑原脚本のお芝居にであったり
bird's eye view経由で絶対王様を知ったり・・・
ドミノが倒れるように良いものに次々にめぐりあって
良いことが次々に膨らんでいくような
ちょっとプチ幸せな気分に浸っております

ところで双数姉妹の本公演ももうすぐですね
プチ幸せをいただいた感謝の気持ちとともに
4月公演も結構楽しみにしています

R-Club(絶対王様の今回公演の劇評掲載中)


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