ミミズクとオリーブのここちよさ
ときどき思うのですが、
形って意外と大切なことではないのでしょうか。
たとえば落語にしても、
さらっと枕があって、
(観客が)ほぐれたところで
噺に入るみたいな・・・
不思議なもので客の方もそのスタイルに安心感を持って
しっぽりと噺に入っていけたりするのですよね・・・
そりゃ、「一席おうかがいいたします」から
いきなり噺に入る落語家さんもいらっしゃるし
小三冶師匠みたいに枕だけで一時間という方もいらっしゃるけれど
それは元の形があるからできるバリエーションみたいなもので・・
斬新なものが斬新であるためにも
表現の形って必要なことだと思います
小説でも連作のようなものになると
ある種共通した形が必要になってきます
シリーズだと、たとえば新宿鮫の鮫島なんて
キャラクター的にきちんと作りこまれているから
あそこまでのロングセラーになっているのだろうし・・・
最近感心した形といえば
芦原すなおさんの「ミミズクとオリーブ」があります
これは連作短編推理小説なのですが
キャラクターの設定が非常に上手で・・・
本当に感心してしまいます
なにもかもお見通し(推理も)の奥さんと
小説家の距離感というか関係がとてもあたたかくて・・・
まあ、いまどき珍しいお茶の間の匂いもするような
二人の関係、忘れていた何かを思い出させてくれるようで・・
しかも、推理小説の形を崩していないところがすばらしい
通勤の行き返り何回かで読み終えてしまう量なのですが
読むたびにある種のなごみを感じてしまう
奥さんのキャラクターも本当に良くてね・・
作者にもそのような女性に対する憧れがあるのかと
思わずかんぐってしまうほど・・・
昔風の良妻ともいえなくはないのですが
それだけではないなにかが
私の心の琴線を爪弾いてくれます。
最初のお話でそのいごこちのよさに惹かれ
次のお話でそのいごごちが続いていることに安堵し
あとはわかっていながら次のストーリへの
ページに思わず指がいってしまう感じ
推理のロジックにも肩を張ったところがなく
なおかつなんとなく納得してしまう「スッキリ感」もあり
お勧めの本です
そういえば、後藤ひろひと先生の名作
BIG BIZシリーズもついに「BIGGEST BIZ」の政策が
決まったようですね
皿袋というキャラはどのように発展するのか
粟根さんのキャラクターは再登場するのか
わくわくしますね
Bigger Bizについてはすでに初演を見ており再演の観劇予定はないのですが
Bigiest Bizはどうしても見に行きたいところ
惹かれる要素あるものに素直に魅せられるというのは
悪いことではないはずだし
我慢をすると身体に悪いような気すらします
R-Club
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