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演劇を映像で(一部改訂)

劇団新感線を最初に見たのは
「スサノオ」でした。
当時は青山円型劇場という
いまでは信じがたいようなところでの舞台でした
手作り感がたっぷりで・・・
今とやっていることの根っこは同じなのですが
劇団の進化とか成長というのはそういうことなのですね

最近はチケットがとりにくいのと価格が高いので
元はとれるだけの価値があるとはわかっていても
あまり見に行く機会がなかったのですが
たまたま、今年の春に公演があった
「髑髏城の7人 アカドクロ」の舞台を映画にしたものを
銀座でやっているので見てきました
作品の映画化ではないです。舞台をそのまま撮影して
編集して、映画館で見せるという試みです
だから舞台上の制約的なものもかなり残したままでの映像表現です

「髑髏上の7人」はこれまでにも2回みているので
親しみは多いのですけれどね・・・
一度目は池袋の西口でのテント公演でみたし
2度目は97年に沙霧をみっちょん(芳本)がやっていたのを
覚えています

極楽太夫役は一回目が羽野アキ、2回目が高田聖子だったかな・・・
たしか・・・

話し自体がよく出来ていて・・・
しかも、役者のキャラクターに当てて書かれた部分と
コアになる創作部分のバランスがよくて・・・
で、バージョンが変わるごとに背骨を残しておきながらの微調整の部分がたまらない
今回の映像でも、2004年バージョンに関してそのへんのことは十分に伝わってきて
楽しめました

ただ、舞台と映像の違いが残るのもまた事実で・・・
悪いことばかりではないのですけれどね・・・

一番思ったのは、シーンの持つ強さというか印象が
生の舞台と映像にして編集をかけたものではかなり違うということ・・
映像の場合は作り手が見せたい部分が強く明確になる反面
舞台全体の空間としての機能、
無意識に観客が見て得られる何かが
削がれているような気がする
舞台を映像を見ていても、見る前に危惧していたような
強い違和感はないのですが
実は舞台の空間のなかで
自然に観客が視線を集中させる部分が
観客にはなにげに強制されているわけで・・・
映像であり、視覚と聴覚以外の(空間としての)情報を
銀幕上では表現できないのだから
しょうがないといえばしょうがないのですが・・・

それと、けっこう強く感じたのは
観客が受け取るイメージの強さは
実は映像のほうが強いのですが
全体の繊細さには欠けるということ
たとえば緩やかに流れる時間にただよう気配のようなものの表現が
映像ではできず、その分視点を強制的に舞台の一点にひっぱることで
ニュアンスや舞台上の要点を表現していくような感じになります
一方で、作品の骨格となる部分は映像の方が明確に伝わる部分もあって・・・
たとえばストーリー自体はむしろ映像で見たほうが明確になっているような
気もします。

また、アクションシーンも映像の方が鮮明に動きが見える気がします
ただし、アクション時に新感線の舞台がもつ
空気の重さや光の美しさなどは
映像から感じることができませんでした

9月下旬に「Sweet Charity」の日本版DVDが出て、
その中の特典映像で
BoB Fosseは舞台と映画の作成上の違いを
明確・簡潔に述べていますが
その違いをある種乗り越えるチャレンジにもなるような今回のこころみは
あくまで、同じ作品の同じ空間の記録が
媒体の特性からどのように観客をとりこむのかの
良い実験だったような気がします

古田新太氏が「映像だからわくわく感が低い」みたいなことを
開演前の場内へのご注意(録音)で言ってましたが・・・
決してそんなこともなくて・・・
後半髑髏城に主人公が入り込んでいくシーンは
結末を知っているくせにけっこう浮揚間のようなものがありました
ただ、映像の中の舞台は生の舞台上と同じ物ではけっしてありえない

舞台を映像にして見せることの功罪を考えるのは
正直なかなか難しいですが
舞台を映像化することによって変化する
さまざまな要素への対応や
むしろそれらを逆手にとったような使い方が
ノウハウとして蓄積されていくと
おどろくほど観客に新たな感動を与える
なにかが出てきそうな可能性は十分あると思います
そうなれば舞台という一次的な素材をもとに
新しいジャンルの作品が創作されリメークされて
私達を十二分にたのしませてくれるのかもしれません

ところで、話はぜんぜん違うのですが
映画館って劇場にくらべて本当にゆったりとしていて・・・・
演劇と比べて映画はすわり心地のよい場所でみることが
できるのですね
あたりまえのことにいままで気づきませんでしたが
映画館で作品をみながら、リラックスしていく自分に
ちょっとびっくりしてしまいました
あんなに結ったりいすを置いたら
舞台の場合距離が遠くなりすぎて・・・
これも映像の隠されたメリット???

まあ、黎明期にはいろんな発見があるものです

R-club

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丸の内東映 2004年9月29日(水) 19:00〜 作:中島かずき 演出:いのうえひでのり 古田新太/水野美紀/佐藤仁美/坂井真紀 橋本じ... [続きを読む]

受信: 2004/10/06 00:52

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