男性の好きなスポーツのすごさ
本館(R-Club)にも書きましたが
「男性の好きなスポーツ」はいろんな意味でインパクトの強いお芝居でした
総合力に優れていたというか・・・
個々に優れた面が積み重なったというか・・・
松永玲子さん、よかったですものね・・・
もともと透明というか、何にでも染まることの出来るタイプの女優さんで
彼女を見始めたときには
その分、ちょっと器用貧乏のようなところがあったのですが・・・
この数年で骨太になったというか
舞台の存在感が飛躍的に高まった気がします
細かい感情を動作で表現できる能力に加えて
しっかりと自分の感情を表現する力が他を凌駕するほどついたということでしょうか
今回の公演でも、そりゃ、京晋佑とのからみも目立たないといえば
うそになるけれど、でも一番印象に残ったのは
京晋佑演じる悪警官が怪我をして急に優しくなったとき
そのやさしさを嫌うような部分でした
説得力があるのですよ・・・
ナチュラルで、彼女の根源的な部分が浮かび上がるような
京晋佑のやさしさへの嫌悪の芝居・・・
舞台の上の女優さんに生身の感情を感じる錯覚をさせられるなんて
そうあることではありません
それだけ彼女の演技は一級品だったし、彼女にしか出来ない演技を見た気がします
松永さんだけではなくほかの役者も今回は出来が本当によかったですものね・・・
そう、今回のナイロンがすごいのは
70点クラスの芝居をうまく並べて100点にもっていくというレベルではなく
100点にちかいものを贅沢に使って隙がない100点を作ったような
ニュアンスがあること
新谷真弓さんやすほうれいこさんの演技も
観客に解釈の作業を必要とさせないほど
ダイレクトに彼女達の感情や気持ちを
伝えてくれる・・・
資質のある俳優が集まって芝居をつくっているのか
ケラさんが役者の資質を120%くらい
引き出しているのか・・・
京さんも鳥肌モノの切れだったし、みのすけさんや藤田さんもいい味出していたし
そうそう、ロマンチカのお姉さまたちも
本当に印象が強くて・・・
ナイロンの女優さんたちの表現する女性の対極にあるのがロマンチカのお姉さまで・・・
これはこれでやられてしまいました
男性ってどうしてああいうお姉さんに弱く出来ているのでしょうね・・・
フェロモンなんて言い方もあるのですが
昔風にいえば色香にまどわされるというか・・・
容姿、衣装、細かい仕草の一つ一つが
男性の劣情をそそるように計算され尽くしている・・・
もう、またたびを嗅いだネコの気持ちが痛いほどわかる・・・
松永さんや新谷さん・すほうさんの素の女性としての感情の対極として
非常に計算されつくした彼女達のパフォーマンスだったとおもいます
でも、彼女達って素はどんな感じの方たちなのでしょうね・・・
芝居が終われば普通の目立たない女性として
劇場を後にされるのでしょうか?
そんな興味まで抱かせるほど
彼女達の演技は完成度が高かったです
ケラさんの芝居、ラストシーンまでこのところあたり続きですものね
今回の表現も、ケラさんの想いがしっかりと伝わる
実に秀逸なものだったとおもいます
よい芝居をみるのは本当に幸せ
先週末にみてもう4日もたっているのに
考えがつのる
つよくちょっとどきどきで、でも充足した印象の残る
「男性のすきなスポーツ」なのでした
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