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相乗効果@「鈍獣」

本館にも書いたのですが
昨日「鈍獣」を見てきました
芝居としては細かい心理描写ではなく
大きな芝居全体を使ってあらわすような
人間の根源的なものがある意味新鮮で・・・
宮藤官九郎・河原雅彦という当代一流の作家・演出家の
既成概念にとらわれない芝居を
ねずみの三銃士という、演技を知り尽くしたユニットが演じるのですから
それはおもしろうございました。

ねずみの三銃士についてはそれぞれに印象に残るお芝居を
山ほど見ていますからね・・・
古田新太氏は「スサノオ」の東京再演@青山円型劇場が
初見でしたが、当時は男が見てもかっこよかったですからね・・・
新感線が一生懸命押したのも当然かと・・・
当時から我侭が許されるような華もありました
池田成志氏は山の手事情社で「ストーブプレイ」という
お芝居のよいとこどりのようなものを見たのが最初だったとおもいます
講演会の中で「私の叔母は牛だった」というネタを
演じたときのしたり顔、今もそのままですものね・・・
生瀬勝久氏は「TV広辞苑」という当時読売TVの深夜番組で見たのが
最初かとおもいます。西村頼子さんやみやなおこさんという
そとばこまちの方々もたくさん出ていましたっけ・・・
山西惇さんなんかも出ていたかも・・・
当時からあのひょうひょうさは変わっていません

今回のお芝居を見て
男優陣はみんな昔からの得意技を生かした演技で
舞台を見事にふくらましていることには
ある種感動を覚えたほど・・・
自分達のユニットですから原点に返って自分達の一番強い部分で
勝負をしているのがかえって好感が持てたことでした

一方女優陣はある意味真摯で一直線な演技
西田尚美さんは狂気の中での常識の部分を担うのですが
彼女自身にもぶれがあるところが宮藤脚本の技の部分で・・・
それは正しさがぶれた時代に起こる物語の
そこはかとないどうしようもなさみたいなものをかもしだす効果があって・・・
彼女は突っ張る部分とぶれる部分を見事に演じ分けておりました
乙葉さんは華やか・・・、ある種の薄さのようなものがあり
それが彼女を一層華やかに見せていた
真摯に演じているから出せる華ですよね・・・あれって
手を抜いたとたんに光がうすれてしまうような輝きだけに
河原演出の技ありかも
野波麻帆さんには基本的に強さがあって・・・
だれかが手綱をはなせばぐいぐい舞台を引っ張ってしまうような
勢いがある・・・

で、自由に舞台を広げる男優陣と一途にすすむ女優人が
ばらばらになるかというと
まるで男優陣のゆとりに女優人がうなぎの串のようにささるような・・・

結果として両方合わせてドラマのどたばたとは別に
人間の心のみにくさとそれをどこかでしょうがないものとして
受け入れるようなある種のもどかしい恐怖が
舞台を支配して・・・

これって多分確信犯的な恐怖ですよね・・・

細かい心理描写や小さく緻密な動きのつみかさねで
なにかを表現する芝居が多い中で
なにか目からうろこが落ちるような
骨太な新鮮さがある舞台でした

すっきりとはしないのですけれどね・・・

最後の部分でそれをだるく受け入れるような宮藤演劇って
なんか身体にわるいけれど癖になるような
ものを持っているような気がします

劇評は
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» 鈍獣 [ODOSON カンゲキモード]
PARCO劇場 2004年8月12日 19:00〜 作:宮藤官九郎 演出:河原雅彦 生瀬勝久/池田成志/古田新太 西田尚美/乙葉/野波麻帆 ... [続きを読む]

受信: 2004/08/22 02:54

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