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シンプルで奥深い@ショーウィンドウ

それは、不可思議な一分間でした。
信号待ちの間、ショーウィンドウのなかで
繰り返し演じられるドラマ・・・・

モノクロのスクリーンに映し出された
黒人の女性が
息を吐き出す表情をすると
スクリーンの前につるされたパステルカラーのスカーフが
吐息にあおられたようにゆれる・・・
すこしまくれあがって・・・
女性の表情が元に戻ると
スカーフも何事もなかったように揺れを止める
それだけのパフォーマンス

物語は見る側にあるのだと思います
たとえば私にとっては
女性の吐息にこめられたものは私の吐息の具現化かも・・・
あるいは
私がかかわっていてふっとおろしたくなる重さへの
小さななぐさめなのかも・・・
もしくは私がなんとなく待っているものへの
柔らかな期待なのかも・・・
無表情でこちらを見る彼女がゆっくりと息をはくとき
それまでの気品に満ちた表情と
いたずらっぽいスカーフのゆれが作り出す
絶妙な、エスプリに溢れた、慰安
物としてそこにあるスカーフが
見るものの時間の中で生を受ける瞬間の
ちいさく確かな、ちょっとはまるような驚き

言葉は概念や輪郭を現す表現であり
仕草は面や色をあらわす表現なのかもしれません
概念や輪郭が取り払われ
深さをもつ面空間と色が提示されたとき
人は自らの言葉で、その空間に輪郭をつけるのかもしれません

数寄屋橋から銀座四丁目の交差点に向かって右側の
晴海通り沿いに
その、シンプルで秀逸な空間は存在しています

ちょっとよいものを見て得した気分の
仕事帰りでした

R-Club(お芝居の感想などなど)

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