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私のなかの関西

人の心のお天気を変えるには
たった一曲の音楽や、たった一行の言葉で十分・・・

すこし前にここに書いたかもしれないけれど
関西地方で昔
夜中の天気予報で流れていたアール・クルーのギター
インストロメンタル、曲名がやっとわかってすっきりしています。

I Can't Give You Anything But Love

提供は玉姫殿が多かったかな
琵琶湖かなんかの背景で・・・

たまたま、聴いていたAccuradioの「All That Jazz」チャンネルから
流れてきて・・・

当時両親ともまだ大阪府の箕面市に住んでおりまして・・・
帰省して、なんとなくいろんなことを話していると
テレビであの音楽が流れてきて・・・
宵っ張りの一家の一日がやっと終わったような気がした・・・

首都圏に住んでもうずいぶんになりますが
やっぱり関西に対する愛着っていうのは
なかなか抜けないですね

先日、とある関西出身の女優さんのHPで
お勧め映画の募集をしていて
私のお気に入りの映画をメールしたら
ちゃんと見てくださったみたいで、
しかも「素敵な映画だけれど別の映画の方がすき」という
映画に対するコメントをHPの記事に書き込んでいただいたことがあります
別に私に対するメッセージというわけではないのでしょうが
関西の女性がなにげにする
婉曲表現にすっとひき込まれて
しまいました

駅のうどんも関西のおいしいし・・・
若かったこともあるのでしょうが
昔、学校帰りに食べた
阪急電車の駅のうどん屋さんのきつね・・・
私のおいしいの原点になっているかも・・・

私が落語に親しんだのも
江戸落語より関西の方が先で・・・
むかし、がりがりにやせた春蝶師匠や
朝丸といってたべかご師匠の落語を
梅田などで聞いた覚えがあります
福笑師匠が平林や近日息子なんて前座話を
やっていた頃を知っているなんていうと
歳がばれますが、なんかすごく勢いがあって
妙にひかれた・・・
福笑師匠ってチューリップの財津さん(Vo)と似ていたような
イメージがあります
そうそう、なくなりましたが、小染師匠を桜井井(阪急)駅の近くで
拝見したことがあって・・・
べかご師匠もそうでしたが、あのあたりに住まわれていた
落語家の方って多かったのかもしれませんね・・・
やはり故人になりますが
枝雀師匠(当時)のうどんやもすごかった
唐辛子に真っ赤に染まったうどんが
まるで立体絵本のように彼の手の中に浮かんできて
芸のすごさを思い知ったことでした

幼いころから学校を卒業するまで
家のなかでは標準語にちかい言葉を話し
外で友人などと話すときには関西弁のイントネーションで
話していましたが、それはいまでも同じで
私はれっきとしたバイリンガル(笑)

でも、関西弁で話すとき、私の心のお天気は
照り過ぎない心地よい晴れ間の広がった青空に
恵まれます
そして、

I Can't Give You Anything But Love

を耳にするとき、どこかにすこし眠たいような
いとしいほどあたたかいような時間が流れて・・・
私はどこかで「ただいま」とつぶやいているのです

不思議なことです

芝居を見出したのは東京に来てからだし
ミュージカルに本格的にはまったのは
マンハッタンに行ってからだけれど
何かを感じる能力を身に着けたのは
関西の文化にどっぷりひたっていたころのこと・・・

もし、私の表現に対する感性になにかフィルターがかかっていたら
それは昔はいかいしたキタのにおいなのかもしれません

たまには、ぶらっと大阪の街を歩いてみたいですね・・・

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コメント

玉姫殿の天気予報で流れてた『I Can't Give You Anything But Love, Baby』、アール・クルーじゃなくてルイス・ボンファですよ。

投稿: 安岡孝一 | 2004/11/19 17:48

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