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力技にも味がある

5月22日、MTV The Super Dry Live 2004を観に
いきました。代々木第一体育館も本当に久しぶり・・・
もしかしたら「米米クラブ」を観にいって以来かもしれない
そう、石井竜也が「奥様愛の劇場」を延々とやって
長いコンサートになったのを覚えています

で、昨日のコンサートは浜崎あゆみ、m-flo loves who?の日本人組に
Pe”zがシークレットゲストで登場。

浜崎あゆみはやっぱり華があり、
舞台もある種のシーンが
イメージされているように思えました。
ただ、昔ユーミンがたどった道と同じような歩き方をしているのが
ちょっと気になるところ
そういう意味ではたまに信者ばかりでない会場での
ライブというのも彼女自身には新鮮だったのかも・・・

m-flo loves whoもすばらしい出来で
日本の音楽もついにこのレベルまで来たかなんて
思わせるほど
特にPe”zとのコラボレーションに引き込まれるような
グルーブ感があって・・・
Pe”zは要注目でっせ

そうそう、その中間で出たGood Charlotteも5pcsのバンドとしては
非常にオーソドックでありながら
きちんとつぼを押さえていて、
代々木はちょっと広すぎるけれど
たとえばマンハッタンのちょっと大きめのライブハウスで
彼らを聞いたら、男の癖に虜になるかもと思わせる出来・・・

5組+シークレット1組の6組中4組を観ただけで
そのレベルの高さに圧倒され、
また日本のミュージシャンのレベルに大満足だったのです

でも、
最後の2組のステージで今までの充足感は一気に吹き飛ばされることになりました

5組目、Missy Elliott、ラップを基調にしているとはいえ
それまでの日本人達のラップとはコアに持っているパワーが根本的に違う
それは、多分リトルリーグと大リーグほどの違いにすら感じられます
単純なリズムのバリエーションに織り込まれた
変化に酔いしれ、やがて陶酔に近い興奮に観客を一気に引き込むパワー
細かく織り上げたリネンのように体全体にかぶさっていく音の波・・
体を震わせるのでなく体が震えていく感覚、
体を揺らすのではなく体が揺れていく感覚。
自分の中にある何かが共鳴していく驚きと心地よさ・・・
日本のラッパーたちからは得ることができなかったものでした

そして最後のMary J.Blige
手垢のついたような言い方だけれど
魂のこもったソウルバラード
高揚感・・・、山を越えたときにさらにやってくる高揚感・・・
尽きない歌声、心を裏打ちするような強さ・・・
曲を聴くものと曲を奏でるものという対峙の関係でなく
曲を奏でるものと曲に身を任せるものという
同じベクトルの関係に観客を導いてくれます
酔いしれるというのはこのような境地をいうのかと
納得させてくれるような至福の7曲/50分・・・

パワーが常に感動を読んでくれるわけではありません
芝居にしても、怒鳴るだけの芝居は観客を苦痛にするだけです
パワーを操るにはきちんと裏打ちすべき
資質が必要であり・・・
その差が如実にあらわれたのが昨夜のコンサートだったような気がします

もちろん、日本のすばらしいアーティストを否定するわけではなく
むしろ澄んだ思いや繊細な心の動きを見せる手腕は
彼らの方が上かもしれません

でも、すごかった。
疲れ果てるくらいに素敵な5時間のコンサートでありました

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