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Bob Fosseに対する私的賞賛

季節の変わり目は
晴れやかな気持ちと憂鬱な気持ちが周期的に訪れるような
気がします

もう良い年ですから自分との付き合い方にも慣れていて
気分が滅入るようなときには
気が晴れるようなものを見たり読んだりして
ゆったりとすごせる時間を作るようにします。

でも不思議ですね・・・
頭で考えると、癒し系の、静かな、α波がでるような物が
よさそうなのですが実際に心が求めるものは
もっとシニカルな目をもった暖かい表現であったりします

たとえば・・・
Bob Fosseの作品に「Sweet Charity」というミュージカルがあって
昔々Broadwayの再演を見たときに
椅子から立てない経験をしたことがあるのですが
それ以来、心が落ち込むと
このミュージカルのナンバーが懐かしくなります

Bob Fosseの作品を一番最初に見たのは
ライザミネリ主演の映画「Cabaret」ですが
そのときの彼の視線はなぜか私を和ませました

退廃のなかの純粋さ、そして純粋さの果てをみつめる
シニカルなまなざし・・・
私のなかに大きな慰安が広がったのを覚えています

そしてミンスコフ劇場で見たこのミュージカル
当時マンハッタンにいた私は10回もこのミュージカルを見ました

Sweet Charityの中に、ダンスホールの屋上で
主人公と友人の3人がそれぞれのかなわぬ将来を語り合う
というシーンがあります
Sweet Charityというと「Big Spender」があまりにも有名で
なおかつ「Richman‘s Flog」の振り付けは
語り草になっていますが
そのあとに登場するシーンにも
Bob Fosseの現実を見つめる目をベースにしながら
夢を羽ばたかせるような意図があって
私をときめかせます
バレエのようなステップから斜めに舞台を使って
一気に夢が広がる様子に至る一瞬、
私は至福の時間を共有することができます

この感覚はいったいどこからくるのだろう・・・

Bob Fosseがいつまでも魅力的におもえるのは
この不思議な慰安を表現できる演出家だからかもしれません

そういえば「It’s showtime fox」といって
一日が始まるという
「All That Jazz」のシーンにも惹かれたな・・・

彼のもつ生きるというイメージは
私達が見えていないものを持っているのかもしれません

やっぱり彼は偉大だったのだと思います

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