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2010年9月 7日 (火)

国道58号戦線 「反重力エンピツ」意義ある再演 (記録)

2010年7月26日、サンモールスタジオにて国道58号戦線、「反重力エンピツ」を観ました。

作家急病で急遽演目変更となったこの作品ですが、意義のある上演となりました。

(ここからネタばれがあります。十分にご留意ください)

脚本:友寄総市浪

演出:福原冠

初演時には、観る側の感性にいどむような部分があって、
密度を持った強いテンションが舞台を支配していた記憶があります。

今回の公演は、演出が
いたずらに初演を踏襲することをせずに
自らの感性にしたがって舞台のトーンを作り上げることで
戯曲のもつ別の奥行きを観客に表した印象。

初演時の時間を磨き上げるようなデフォルメがほどけて、
ひりひり感をもった舞台の空気にかわって
馴染むような肌合いがやってきます。
作品のテーマとなる感覚が
初演時のように戦闘服を着て観る側に挑んでくるのではなく
普段着で語りかけてくる・・・。

まだ初演から1年もたっていない、
それもがっつりインパクトを持った作品だったので
前回の記憶もしっかり残っていて。
でも、そこには初演・再演の優劣ということではなく、
戯曲の持つ懐の深さこそが感じられて。

もちろん、作品としても秀逸なのですが
それに加えて作品の再演の意義というものを
考えさせてさせてくれる公演となりました。

出演:伊神忠聡,ハマカワフミエ,, 青木宏幸,岡安慶子【北京蝶々】、加賀美秀明【青春事情】,坂本健一,塚越健一,藤尾姦太郎【犬と串】、堀奈津美【DULL-COLOREDPOP】

役者の方たちも
稽古中に演目が変更になるなど、
大変だったと思うのですが
そんな風情はおくびにも出さず
キャラクターのニュアンスを
舞台のトーンに合わせて
したたかに作り上げていました。
ナチュラルなのですが
キャラクターの芯がぶれない・・・。
繊細な陰影を観客に伝えるだけの
安定が個々の役者にあって、
派手さはないのですが、
ボディブローのように
シーンごとのお芝居が観る側を閉じ込める
質感にかわっていく。

公演期間の前半での観劇でしたが
今が悪いということでなく、
膨らんで変容していく余白を感じる部分もいくつかあって、
後半に
このお芝居がさらにどう育っていくのか
見届けることができなそうなのが
残念でなりません。

それと、作家の友寄氏には、ゆっくりでよいからたっぷりと気力を回復していただきたいところ。この作品を再び見るにつけ、その才能は何カ月かを争うのではなく、長いスパンでさらに大きく花開いてほしいものだと思います。

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